おりものの色が黄緑~緑になった?
おりものの色が、普段と違う色に変化した場合、いくつか原因が考えられます。その中でも、黄緑や緑色などの色に変化した場合のケースを今回は説明します。
大まかに説明すると、黄緑や緑色におりものが変化する場合は、風邪をひいたときの鼻水の色が黄緑や緑に変化した時と同じです。
つまり、異物(この場合細菌など)が侵入してきたので、排除しようとした結果ということです。
おりものが黄緑~緑に変化した原因 1 クラミジア
クラミジア・トラコマチスという細菌が原因で起きる病気です。STD(性感染症)の一種です。
1~3週間の潜伏期間ののち、症状が出るといわれていますが、自覚症状がない・薄いといったケースも見られます。
水っぽくさらさらとした膿の混ざったような黄色~黄緑色のおりものに変化します。臭いも多少あるようですが、自覚症状がないばあい、やはり無臭と感じる場合もあるようです。
日本では、1年間に2.5万人の感染報告があるとされています。ただし、あくまでも報告で、自覚症状がなく、病院に行っていないなどのケースもあるので、実数はそれ以上であるといわれています。
また、後述する淋病と同時に感染しやすいといわれています。
治療としては、抗菌剤を服用するのが一般的な治療法となります。一定の期間の間、一定の血中濃度を維持することが治療上大事です。そのため、処方された薬を忘れないように飲んでくださいね。
妊娠初期にクラミジアに感染すると、流産のリスクが高まることがあります。
また、妊娠期間中にクラミジアが羊膜に移行することで前期破水などのリスクが高まります。羊膜に移行するのは、妊娠初期が多いです。
臨月になっても治療されず、そのまま出産した場合、産道感染により生まれてくる子供が結膜炎や肺炎を起こしたりするケースがあるそうです。そのため、出産前に感染が発覚した場合は、帝王切開になるケースもあります。
おりものが黄緑~緑に変化した原因 2 淋病
淋菌を原因とする病気で、STDの一種です。もともとは、弱い菌でしたが、近年は抗生物質耐性菌が出ているようです。淋菌に感染している場合、HIV感染のリスクが増大します。
また、クラミジアと同時感染を起こしやすいことも有名です。潜伏期間は2~7日です。
男性の場合は尿道炎という病気を発症し、尿道口から膿が出てくるといった比較的わかりやすい症状を見せるので比較的わかりやすいのですが、女性の場合、白~黄緑のおりもので、嫌な臭いがするくらいで、男性と比較しても症状が出にくいこともあり、気が付きにくいのが現状です。自覚症状がないケースもあり、その場合、無臭に感じることもあるでしょう。
淋菌は、何度も感染を繰り返します。一度感染して治療したから大丈夫といったことは決してありません。
治療方法としては、淋菌には耐性菌が多いため、抗生物質の点滴や筋肉注射が一般的です。治療が終了しても、もう一度検査を行い、淋菌がいないことを確認することが大事です。
妊娠初期に淋菌に感染すると、早産・流産のリスクが増加します。
また、臨月までに淋病の治療がされなかった場合、出産時に産道感染で乳幼児が感染することがあります。
その場合、結膜炎・関節炎・尿道炎などを起こします。
結膜炎を発症した場合、最悪失明するケースがあります。そのため、臨月で淋病が発覚した場合、帝王切開の可能性もあります。
妊娠初期に行われる検査では、淋菌の検査が含まれていないことが多いです。可能性があるのなら、追加検査を行うことが大切です。