借金を抱えたまま亡くなったとき、返済はどうなるのでしょうか。本人が亡くなったことで借金が帳消しになり、遺族の負担なしで済むこともありますが、なかにはそうならない場合も……。Aさんのケースを見てみましょう。
亡くなったあとに借金が発覚!
Aさんの夫はある日突然、脳梗塞で倒れ、そのまま50代の若さでこの世を去りました。Aさんは驚きと悲しみにくれながらも、葬儀や死亡届の提出など各種手続きを進めました。
しばらく経って落ち着いてきたある日、夫あてに見覚えのない封筒が届きます。中を開けてみると、なんと消費者金融からの督促でした。夫は生前、Aさんが知らないうちに200万円近い借金を抱えていたのです。
びっくりしたAさんは、あわててその消費者金融に電話して、本人が亡くなっていることを伝えました。ですが、担当者から「返済する義務がある」と説明されてしまいます。
Aさんはその後「相続放棄」という方法を知りましたが、その時にはすでに手遅れで、結局は借金を引き継ぐことになりました。
借金があっても困らないケースは?
もし亡くなった人に借金があったとしても、相続の開始があったことを知った日(通常は死亡日)から3ヵ月以内で、遺産に手をつけていない状態であれば「相続放棄」も選択できます。相続放棄とは、亡くなった人の財産を一切受け継がない代わりに、借金も帳消しにできる制度です。
ちなみに、住宅ローンも借金ですが、これはローンを組んだときに加入している団体信用生命保険(団信)でまかなえることが多いので、残りのローンを遺族が全額負担するということにはなりにくいでしょう。