ヨガクラスに参加すると、ヨガ講師が「目線を遠くに」「伸ばした手先を見て」などとガイドすることがありますよね。 しかし毎度ではないので、どこを見たら良いのか迷いが出てくる方もいるのではないでしょうか。

そもそも、ヨガのアーサナ(ポーズ)には、正しい目線の位置があるのか?なにか影響があるのか?というのも疑問ですよね。

結論から言うと、ガイドがないから目線は適当で良いというわけではありません。

実は見る場所によって、ヨガのポーズにはさまざまな影響があるのです。

目線を意識することで、あなたのヨガの質がより高まる可能性があります。

そこで今回は、ヨガの正しい目線とは何か、どう意識すべきかについてご紹介していきます。

ヨガの正しい目線とは?ポーズによって違う?

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

ヨガ中にどこを見るか迷ったことがある方は多いはず。

筆者自身も、ヨガクラスで聞かれることが多く、目線については長年考えさせられてきました。

その中で伝えたいことはまず、目線はキョロキョロさせずに一点に定めるべきだということ。

ヨガ初心者こそ意識してみて欲しいと思います。

目線の置き方(力強くなのかふわっとなのかなど)は、ヨガ講師の考え方やヨガのスタイルによって少し異なることが分かってきました。

正しい目線については、ポーズによって異なるので、経験していく中で徐々に身体に覚えさせていくと良いでしょう。

また、身体の状態によっても異なってくるので一概には言えないこともあります。

首や腰に痛みがある場合は、後屈を緩やかするため目線が変わります。

まずはなぜ目線が重要になってくるのか、詳しくご紹介しましょう。

ヨガで正しい目線を保つメリット

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

アライメントが整いポーズの質が上がる

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

ヨガポーズごとの正しい目線を知るべき一番の理由は、アライメント(身体の位置関係)が整いやすくなるからです。

例えば…

  • 目線を斜め上へ:胸が開く
  • 力強く遠くを見る:顎が下がる
  • 目線をお腹に:背中が丸まる

など、目線を変えると、他の部位も一緒に動くことがわかりますね。

そのため、ヨガ講師は手を触れずにアライメントを整えたいときにも目線のガイドを行うことがあります。

「力強く遠くを見て」と言われると、アライメントとは関係ないように思えますが、「力強く」という部分が鍵で、これを意識するとたいていの方は目に力が入り自然と顎を引くようになるのです。

日常の癖で顎が上がりやすい方は多いので、とても有効なガイドだと思います。

アライメントが整うと安定性が高まり、ポーズも深まります

筋肉も正しく可動するので、美容目的でヨガを楽しむ方にとっても良いですよね。

最初のうちは手や足の位置を意識するだけで精一杯かもしれませんが、少し余裕がでてきたら目線もぜひ意識してみてください。

集中力が高まる

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

目線を定めることで、集中力が格段に高まります

ヨガのアーサナは、身体の動きに意識を向けてコントロールすることで、周囲からの情報を遮断し、“今ここ”に集中するのが一つの目的だと言えます。

目線が定まらずキョロキョロしてしまえば、そのようなゴールには迎えません。

特にヨガクラスに通い始めたばかりの方は、周囲が気になってしまうことがありますよね。

すると“今ここ”に集中できなくなり、ポーズの安定性も欠けていきます。

そんなときこそ、目線を定めることが重要なのです。

『木のポーズ』が良い例です。

私のヨガクラスで『木のポーズ』を長めにホールドしているときに、一人がバランスを崩してしまうと、その周囲の方もぐらついてしまうことがよくあります。

顔は真っすぐ前を向いていても、バランスを崩した方が視界に入っていたため、つられてしまったのですね。

そんな中、目線を定め“自分の世界”に入っている方はびくともしません。

このような例がありますから、バランスポーズをしているときは特に目線を定めるようにしましょう。

そして、目からの情報を得る代わりに、呼吸や身体の動きに意識を向けるのが正解です。

高度なバランスポーズが安定する

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

正しい目線を知り、それを保てるようになると、アライメントが整い、集中力が高まることで難易度の高いバランスポーズが安定してできるようになります。

片足で立ちバランスを保つ『ダンサーポーズ(ナタラージャーサナ)』や逆転のポーズである『ヘッドスタンド(シルシャーサナ)』などもできるようになるのです。

ポーズが安定している方を見ていると、必ず目線が一点に集中していることが分かります。

目線が途中で変わったり、目が泳いだりすることはありません。

目線を保つことで、ポーズの幅が広がり、わくわくも増えていきます。

首が守られる

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

正しい目線を知り、ポーズの最中に目線を定めることで、首を守ることもできます。

例えば、背面が柔軟な方は、後屈の際に首が後ろに倒れすぎてしまい、首への負担が心配になることがあります。

そんなときに、「目線は斜め上」「目線は天井」などと目線を定めることで、首への負担を大幅に減らすことができるのです。

ヨガの基本ポーズの一つ、『ダウンドッグ』においても、前方を見てしまうと首が緊張し疲労してしまいます。

目線をおへそ(足の間と言われることもあります)に向けることで、首がリラックスされ、ポーズも安定します。