ヨガ中の9つの視点とは

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

アシュタンガヨガにおいて使われる言葉ですが、ヨガのアーサナの目線を「ドリシュテ(drishti)」と言います。

“動く瞑想”とも言われる、呼吸と連動して連続したポーズをとるアシュタンガヨガは、一つ一つのアーサナを瞬時に安定させる際にドリシュテが非常に重要となります。

また、集中を高め、身体の感覚を研ぎ澄ませるためにも目線は大切です。

アシュタンガヨガのドリシュテには、9つの視点があります。

アシュタンガヨガをやっていないという方でも役に立つので、ご紹介しましょう。

ドリシュテ9つの視点(目線)

  1. 第三の目(眉間):ブルーマディヤイ(Brumadhye)…意識を内側へ向ける
  2. 鼻先:ナサグライ(Nasagre)…意識を内側へ向ける
  3. 空(天井):ウールドヴァ(Urdhva)…意識を集中、自身の開放
  4. 右方遠く:パールシュヴァ(Parshva)…ポーズを安定させる
  5. 左方遠く:パールシュヴァ(Parshva)…ポーズを安定させる
  6. へそ:ナビ・チャクラ(Nabhi Chakra) :精神を鎮める
  7. 手:ハスタグライ(Hastagre)…アライメントの調整、ポーズの安定
  8. 親指:アングシュタマディヤイ(Angushthamadhye)…伸ばす、胸を開く動きのサポート
  9. つま先:パダヨラグライ(Padayoragre) …背筋を伸ばすサポート

1と2は、ヨガ初心者にとっては難しいかもしれません。

3~9は、ポーズのアライメントを整える、ポーズを安定させる、集中力を高めるといった効果があるので、あらゆるヨガスタイルにおいて有効です。

例えば9のつま先への目線は、前屈のときにぜひ試してみてください。

前屈は深く倒れたいと思うがゆえに背中を丸めてしまう方が多いのですが、それではアライメントが崩れた状態です。

つま先を見ることで、背筋を伸ばしたまま股関節から降り曲がる、理想的な前屈のプラクティスができます。

また、『ダウンドッグ』の際に「おへそを見て」と言われることがあると思いますが、おへそ付近にあるチャクラを見つめることで、ポーズの安定性を高めるだけではなく、意識が内側に向き精神を鎮めることができます。

「ダウンドッグをすると気持ちが落ち着く」という方が多いのは、恐らくこのためでしょう。

筆者自身もダウンドッグをすると、心が安定し集中力が一気に高まるのを感じます。

ヨガの目線が覚えられない!

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

ヨガのポーズによって目線(ドリシュテ)の位置を覚えて使いこなすのは、最初は難しいものです。

なので、正しい目線が分からなくても焦る必要はありません

むしろ、ヨガ中に目線のことばかり考えていると集中力が欠けてしまうので、始めのうちは意識しなくて良いと思います。

登場頻度の多い『ダウンドッグ』はおへそを見る、『アップドッグ』は斜め上の天井を見る、『タダ―サナ』や『木のポーズ』など正面を向いた立位のポーズでは正面の遠くを見ることを覚えておく程度で十分。

あとはヨガ講師のガイドに従えば大丈夫です。

もし、目線が決まらず困ってしまったら、首を真っすぐにした状態で「楽だな」と思う位置を選びましょう。

意識すべきことは、勝手な判断で首を前後に倒し過ぎないことです。

例えば『三角のポーズ』では、首をひねり目線を手の先もしくは天井に向けますが、そのガイドがない限りは壁の方を見ていてもかまいません。

ヨガ中の目線を完璧覚えなくては!と思って焦ることはありません。

目線もアライメントの一つなので、ヨガを続けていくうちに身体が徐々に覚えていくものだからです。

ヨガ中の目線は“凝視しない”が正解!?

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

ここまで、ヨガのアーサナの最中にどこを見るべきか?というお話をしてきましたが、ぜひ意識して欲しいのが“凝視”せずに“広く”見ることです。

そして、前方や天井であれば、目の前に壁があったとしても壁自体ではなく“遥か遠く”を見ることです。

一点には集中しつつ、凝視しない。

目で見るという行為に、労力を使い過ぎないようにしましょう。

言葉で説明すると難しいですが、実際にヨガのアーサナは、ほんの数十秒のうちに全身のアライメントと呼吸を意識することになるので、目で見る行為(見ている物の動向)に意識を向ける余裕はないはずなのです。

そして、目で見ているという行為と同時に、内なる心にも目を向けるイメージを持ちましょう。

また、ポーズによって目力を変えるというのも良いと思います。

例えば英雄のポーズの際には、力強い目線を真っすぐ前に送ることでパワーが湧いてきてポーズにも反映されます。

三角のポーズの際には、優しい目線で空を見上げるように天井を見れば気持ちが解放感されていきます。

このように目線に意識を持つことで、ヨガのアーサナの質が高まり、ヨガの心地良さも深まっていきます。

ヨガの目線を意識しよう!

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

多くのヨガ経験者が一度は疑問に思うであろう、ヨガ中の目線についてご紹介しました。

目線を一点に集中させることで、難しく感じていたヨガポーズも安定してできるようになります。

目線をしっかり保ち、1分間程のホールドがあっという間に感じたときには、何とも言えない快感が待っていますよ!

ヨガ初心者の方は、まずはキョロキョロしないことを意識してみてください。

提供・yoganess



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