親が代わりに貯めていると思っていた「お年玉50万円分」が、親に使われていた!自分名義の口座だったけど、親なら引き出しても問題ないの?
「お年玉は将来のために貯金しているよ!」と親に言われて安心していたのに、気づいたときにはその貯金が消えていた、ということは実際に起きています。自分の名前でつくられた口座のお金を親が使うことに問題はないのでしょうか。   今回はお年玉のお金の所有者や親が使うことの問題について分かりやすく説明します。

▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?

未成年がもらうお年玉平均額はいくらか

未成年の子どもたちは、毎年どれくらいお年玉をもらっているのでしょうか。年齢によってもらう平均金額は違いますが、2024年に行われた学研教育総合研究所の調査によると、未成年が1回のお正月で受け取るお年玉をすべて足した金額の平均は約1万7000円から約3万2000円です。年齢別の平均額は以下のとおりです。

・小学生低学年(1~3年生):約1万4000円~約2万円
 
・小学生高学年(4~6年生):約2万円~約2万1000円
 
・中学生:約2万円~約3万円
 
・高校生:約2万円~約3万円

親戚が多い家庭では、総額5万円以上のお年玉をもらうこともあるでしょう。お年玉を毎年少しずつ貯金すれば、成人までに50万円以上になることも珍しくありません。未成年の子どもが手にするお金としては金額が大きいため、その親が代わりとなって銀行口座を開設し、貯金している場合が多いといわれています。
 

未成年がもらったお年玉は誰のものか

「お年玉は誰のお金か?」といえば、当然もらった本人のお金です。法律でも、未成年が受け取ったお金は基本的に本人の財産とされています。子どもの親はあくまで子どもの代わりにお年玉を管理しているのであって、預かったお年玉を自分の所有物にすることはできません。
 
つまり、親が子どものお年玉を使って買い物をするなどの行為は、通常認められていません。財産権はあくまで未成年本人が持っている権利です。
 
親はあくまで財産管理権を持って「子どもの財産を守る立場」であり、子どものために必要な費用に使う場合のみ許されると考えられています。未成年の子どもは自分ですべてのお金を管理するのが難しいため、親が代わりに管理するという立場です。
 
しかし、管理しているといっても使用する場合は「将来のために貯金する」などの合理的な理由が必要です。たとえお年玉が100円だったとしても、管理をしている親が自身のために勝手に使ってしまう行為には問題があるということです。
 
例えば、お年玉を本人の意思に反して親が全額使い切ってしまうと、子どもが成長したときに返還を求められる可能性もありますが、子どもの生活費や学費など合理的な理由があれば認められる場合もあります。
 

自分名義の口座から親が出金するのは問題ないのか