天守を持つ最初のお城は織田信長により築城された「安土城」と言われています。それ以来、江戸の初期にかけて、天守を持つお城は大小合わせて約3,000築城されたとされていますが、今日まで当時の姿を留めている現存天守は12城のみです。今回は、その現存天守12城を紹介します。
現存12天守とは
最初に天守を持ったお城は、織田信長が琵琶湖の畔に建てた「安土城」と言われています。それ以降江戸時代にかけて日本国内では約3,000もの天守を持つお城が築城されましたが、廃藩置県による廃城令により多くのお城が姿を消しました。
昭和初期には20基残っていましたが、第二次世界大戦の戦火により焼失、現在までその姿を留めているのは12基だけとなりました。
1. 弘前城【青森県】
12天守の中で一番北に位置するお城で、東北以北で唯一の現存天守です。石垣の上に建つ天守の高さは14.46mで、12天守の中で最も低い天守とされています。
お城の敷地内では、重要文化財に指定されている城門5基を始め、見所が多くあります。またお堀沿いを含め多くの桜の木が植えられており、青森県を代表する花見スポットとしても知られています。
2. 松本城【長野県】 ★国宝
1504年、信濃の守護であった小笠原家によって築城された深志城が始まりとされています。様々な城主が入城し、その都度大がかりな改修が施され、現在の5重天守のお城となりました。5重天守で現存しているのは、松本城と姫路城の2基のみです。
松本城は、大天守と乾小天守(いぬいこてんしゅ)からなる連結天守と、大天守と辰巳附櫓(たつみつけやぐら)と月見櫓による複合天守の、両方の形式を持つ連結複合式天守となっています。
3. 丸岡城【福井県】
一向一揆の備えとして、1576年に織田信長の命により、柴田勝家の甥にあたる柴田勝豊によって築城されたお城。北陸で唯一の現存天守です。
明治6年の廃条令により廃城となりかけましたが、丸岡町により天守は買い上げられた為解体を逃れ、町のシンボルとして現在にその姿を留めています。
4. 犬山城【愛知県】 ★国宝
1573年に織田信長の叔父である織田信康によって築城されたと伝わる、国宝5城の中で最も古いお城です。1584年の「小牧・長久手の戦い」では、小牧山に陣をしいた徳川家康に対し、12万の兵を率いて羽柴秀吉が入城したお城としても知られています。