年金の受け取り時期はどうやって決めるべき?

(写真=PIXTA)

最適な受け取り時期は、受給できる期間(つまり自分の寿命)がわかればすぐに見出せるのですが、さすがにそうもいきません。一般的には以下のようになります。

繰り上げが向いている人

  • 退職金や貯金が多くなく、老後の生活が経済的に厳しい
  • 年金を受け取る年齢になったら、それ以降は完全に仕事をリタイアしたい

繰り下げが向いている人

  • 貯金や退職金が潤沢だったり65歳まで仕事を続けたりするなど、経済的に余裕がある
  • 長生きする(70歳で受給開始なら、男性の平均寿命である81歳以上まで生きればお得) 老後の生活費、貯金や退職金の額、働き方、健康状態などから具体的にイメージして選択しましょう。

    夫婦で別々の時期に受け取り開始することもできますし、繰り下げの場合は国民年金にあたる部分と厚生年金にあたる部分を別々の時期に受け取り開始することもできます。自分の家庭にあった最適な組み合わせを考えてみましょう。

    自分が将来もらえる年金の見込み額は、年金事務所の窓口で教えてもらうこともできますが、日本年金機構から届く「ねんきん定期便」や、インターネット版の「ねんきんネット」でも確認できます。ねんきんネットでは、繰り上げや繰り下げをした場合の金額の計算などもできるようになっていますよ。

    1点注意しておきたいのは、年金の受け取り開始年齢は将来的に変更になる可能性が高いということです。
    2020年4月現在、繰り下げを現行の「最長70歳まで」から「75歳まで」に延長する法案が審議されています。まだ老後まで時間的な余裕がある方は、今後の動向をよくチェックしておきましょう。

    自分に合った受け取り時期を検討しよう

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たとえ同じ会社で同じように働いて同じような給料をもらってきた人でも、定年後の過ごし方やお金に対する考え方、貯金額、家族の状況などによって、最適な受け取り時期は違います。

平均寿命を考えれば、老後の数十年間にわたって家計に影響し続ける可能性が高い選択ですから、たいへんに感じるかもしれませんが、しっかり情報を集めたうえで、よく考えて選びたいですね。

文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

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