税金面以外のメリット・デメリット

(写真=PIXTA)

住宅ローンとの関係

住宅ローンが残っている場合、残額にもよりますが、一般的に返済は早い方が有利です。そのため、退職金を一時金で受け取ってローンを清算し、利子をゼロにすることで住宅ローンの総返済額を減らすことができます。

お金の管理

1度に大きな金額を手にすると、無駄遣いをしてしまったり、これまで経験のなかった投資で利益を狙うあまり失敗してしまったりといったお金の管理の難しさがあります。その点、年金形式では定期的な振込となるため、お金の管理がしやすく、結果として老後の生活が安定するというメリットがあります。

税金面では一時金形式が有利だが、受け取り方は慎重に検討しよう

(写真=PIXTA)

退職金の受け取り方の違いによる税金の差と、それ以外のメリット・デメリットをご紹介しましたが、あくまで今回の例は同じ会社にずっといた場合の結果です。働き方や退職金の額も多様化してくるでしょうし、老後のプランも人それぞれです。税金だけにこだわらず、自分に合った受け取り方を選んでください。

文・松岡紀史
肩書・ライツワードFP事務所代表/ファイナンシャルプランナー
筑波大学経営・政策科学研究科でファイナンスを学ぶ。20代の時1年間滞在したオーストラリアで、収入は少ないながら楽しく暮らす現地の人の生活に感銘を受け、日本にも同様の生活スタイルを広めたいという想いから、 帰国後AFPを取得しライツワードFP事務所を設立。家計改善と生活の質の両立を目指し、無理のない節約やお金のかからない趣味の提案などを行っている。

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