学び直しで自分をアップデート!
サステナブルに働くときに大切な二つ目の要素が「学び直し」です。学び直しとは主に大学や専門学校などで社会人が新たな知識やスキルを学び直すことを指します。
人生100年時代、働く期間も長期化する中、テクノロジーの進歩も速いですから時代の変化にあわせて自分に必要な学びを行って自分自身をアップデートし続けることが重要です。
内閣府の資料によれば、自己啓発を実施した人と実施しなかった人の年収変化の差額は、1年後には有意な差は見られませんが、2年後では約10万円、3年後ではなんと約16万円にも……!
報告書では「自己啓発の効果はすぐには年収には現れないが、ある程度のラグを伴いつつ効果が現れると考えられる」と分析されています。
就業確率を高める効果についても、非就業者が自己啓発を実施すると、就職できる確率が、10~14%ポイント程度増加することが示唆されています。
技術革新に伴い必要性が高まる分析・対話型業務(=専門性の高い職業)への移動に関しても、自己啓発は1年後から有意に就業確率を高める効果を持っていることが示唆されています。現在の職業が定型的な仕事であっても、自己啓発を行うことで非定型の仕事に就ける可能性が2~4%ポイント増加しています(下図参照)。
気になる自己啓発の内容ですが、①通学(大学・大学院、専門学校、公共職業訓練など)、②通信講座(通信制大学を含む)の受講、③その他(書籍での学習、講演会・セミナー、社内の勉強会等)の3つを比較して見ると2年後における年収への効果をみると自己啓発の内容によらず有意な結果となっていて、通学が約30万円と最も高く、通信講座が約16万円、その他が約7万円と続いています(下図参照)。
いずれも「学び直し」が年収や専門性のアップに効果的であることがはっきりとわかるデータになっています。
「越境体験」で自分の強みを磨く
最後にサステナブルに働くためのヒントとしてお伝えしたいのが「越境体験」です。
「越境体験」とは「現在の自分が置かれている環境とは違う環境に身を置くこと」で、具体的には副業・兼業(パラレルキャリア)や外部での学び直しを指します。
以前にWoman typeさんのインタビューでもお話ししたことがあるのですが会社とは異なる環境に身を置くことで、そこで出会った人たちから新しいフィードバックを得て、自分の強みに気付いてさらに磨くことができます。
これは私自身の経験談なのですが、会社員として働いていた頃にとあるNPOでプロボノをやらせてもらったんですね。そこで営業や広報を担当させてもらったおかげで、営業資料の作り方も学べたし、広報スキルも身に付いた。
それらはすべて起業した時に役立つ大きなポータブルスキルになりましたし、プロボノを通じて築いた人脈は起業後も私の財産になっています。
自愛と利他がサステナビリティの基本
いかがでしたか? 「サステナビリティとは自愛と利他」とは、Warisで働くあるメンバーの言葉ですが、まったくその通りだと思います。
生き生きと働き続けるために自分を大切に、そして周囲とゆるやかに連携しながら自分らしく力を発揮できるかたちをつくっていきたいですね。
【この記事を書いた人】
Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和
大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌『日経ウーマン』を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事
提供・働く女のワーク&ライフマガジン『Woman type』(長く仕事を続けたい女性に役立つ、キャリア・働き方・生き方の知恵を発信中)
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