Q.子どもの大学進学を控えています。学費負担が増えて、積立が続けられないかも……
A.その間は積立額を減らして続けてください
お子さんが大学に通う間は、学費負担などが家計を圧迫しがちですよね。
だからといって、積立をやめる必要はありません。
iDeCoもつみたてNISAも、途中で積立額を変えることができます。
ただし、「せめて、このくらいの金額は積み立ててください」というライン(最低投資金額)はあります。
iDeCoなら月々5000円、つみたてNISAは金融機関によって違うので確認し、その金額くらいは積立を続けましょう。
なぜ、続けたほうがいいのか。
それは、お子さんの教育費は、お子さんのために使うお金であって、あなたの将来への備えとは別物だからです。
お金をかけて育てたお子さんが、ずっとあなたの面倒を見てくれるとは限りませんし、それを期待することも間違っています。
お子さんはお子さん、あなたはあなたの人生を、それぞれが自立して生きるべきではないでしょうか。
私は、「ファイナンシャルインディペンデンス」という考え方が重要だと考えています。
これは、貯蓄した資産から得られる収益によって、金銭的な心配から解放されることを意味します。
「リストラされたらどうしよう」とか、「将来、子どもが面倒見てくれなかったらどうしよう」
と不安になるのは、お金の不安があるからです。
でも、手元に3000万円のお金があって、そのお金が毎年150万円ずつ増えていたなら、不安は小さくなるでしょう。
積立投資は続けたほうがいいですが、ライフプランやライフスタイルの変化によって、積み立てられる金額は変わってきます。
それは当たり前のことでしょう。
ただし、あなた自身の「ファイナンシャルインディペンデンス」のためには、金額を減らしてでも続けたほうがいい。
そして教育費負担が終わったら、どちらも限度額まで積み立てましょう。
余裕があれば、課税口座でも積み立てる。
大変かもしれませんが、頑張って続けてください!
ポイント :教育費負担が増える時期は投資額を減らして続ける。子どもの卒業後は教育費分も積み立てる
井戸美枝(いど・みえ)
CFPR、社会保険労務士など。社会保障審議会企業年金部会委員。経済エッセイストとして活動。『100歳までお金に苦労しない 定年夫婦になる!』(集英社)、『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)、自身の介護体験を元に執筆した『身近な人が元気なうちに話しておきたい お金のこと 介護のこと』(東洋経済新報社)など著書多数
中野晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信株式会社代表取締役社長。東京都生まれ。1987年、現在の株式会社クレディセゾン入社。セゾングループでの投資顧問事業の立ち上げ、クレディセゾン インベストメント事業部長を経て、2006年にセゾン投信設立、2007年4月より現職。近著に『お金のウソ』(ダイヤモンド社)、『はじめての人が投資信託で成功するたった1つの方法』(アスコム)など多数
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