(本記事は、井戸美枝氏・中野晴啓氏の著書『iDeCoとつみたてNISAにダブル投資入門』、扶桑社、2018年12月7日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

【『iDeCoとつみたてNISAにダブル投資入門』シリーズ】
(1)なぜシングル女性は「年金だけでは赤字になる」のか?
(2)定年までの収入と支出を「カンタンに予想する」方法
(3)お隣さんが「定年前に持ってた貯金」はいくら?
(4)アラフォーで老後が心配な人が「絶対にやるべき」2つの制度とは?
(5)「お金にも長生きして欲しい」なら今すぐ始めたい「具体的な方法」

人生とお金に関するQ&A

「老後破綻」や「長生きのリスク」が声高に叫ばれ、将来に不安を感じている人も多いはず。

ライフスタイルの変化とお金にまつわる疑問にお答えします。

Q.長生き家系で、祖父母は100歳で存命です。私も100歳まで生きるかも。そのときまでお金がもちますか?

A.「もたせる」努力をしてください

100歳でご健在なのですね。

きっとあなたも長生きできるでしょう。

昔から長寿はおめでたいこと、あやかりたいことと言います。

あなたのご家族は、幸せ者ぞろいですよ。

ただし、あなたとおじいさま、おばあさまとでは、大きな違いがあります。

老後に受け取れるお金、つまり公的年金が、日常生活を送るのに十分な金額かどうかです。

私は、公的年金制度そのものは、今後も続くと考えています。

ただし、受け取れる金額は、祖父母の世代に比べたら少なくなるでしょう。

では、どうすればいいのか。

自分で用意するしかありません。

「お金がもちますか」と質問されたということは、ある程度の貯蓄がおありなのでしょう。

そのお金はどこにありますか? 

タンスや銀行の預金口座だったら金額にもよりますが、残念ながら100歳まではもたないでしょう。

お金にも、あなたと一緒に長生きしてほしいなら、今すぐ投資に回しましょう。

仮に1000万円あるなら、その7~8割は投資に回したい。

ただし、700万円や800万円を全部まとめて投資してはいけません。

あなたが投資をしたタイミングがベストとは限らないからです。

もしかすると、とてつもなく価格が高いときに買ってしまうかもしれません。

だからといって、買うタイミングを待ち続けるのも時間のムダです。

相場を予想することは、投資のプロでも難しいこと。

運用の経験がない人が予想することは、まずもって不可能でしょう。

今、あなたが始めるべきことは、分散投資です。

例えば、50万円ずつなどに分けて投資します。

700万円なら14か月、800万円なら16か月で投資が終わるでしょう。

「もっと少ない金額ではダメなの?」と思うかもしれませんね。

でも、今あるお金を投資する期間は、長すぎてはいけません。

寝かせる期間を長くするだけだからです。

一刻も早くお金に働いてもらい、世の中とあなたの将来の役に立ってもらうべきでしょう。

ポイント :長生きリスクを軽減するには預金口座で眠っているお金にも「働きに出て」もらいましょう