(本記事は、井戸美枝氏・中野晴啓氏の著書『iDeCoとつみたてNISAにダブル投資入門』、扶桑社、2018年12月7日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

【『iDeCoとつみたてNISAにダブル投資入門』シリーズ】
(1)なぜシングル女性は「年金だけでは赤字になる」のか?
(2)定年までの収入と支出を「カンタンに予想する」方法
(3)お隣さんが「定年前に持ってた貯金」はいくら?

隣のおうちの老後資金を覗いてみよう

今の高齢者は定年前にはどのくらいの貯蓄があったのでしょう。

うちの貯蓄額は少ないのか多いのか。とても気になるところです。

まさか教えてと頼むわけにはいかないですが、知る方法があるのです。

あなたの世帯はどう?平均貯蓄額と比べてみよう

定年退職までの収支がわかれば、おおよその貯蓄額がつかめます。

貯蓄額については、毎年5月に発表されている総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債)」が参考になります。

2人以上の世帯を対象にしたもので、独身世帯などのデータはありませんが、目安にするには十分です。

この調査結果によると、ここ数年、日本の家庭の平均貯蓄額は右肩上がりでしたが、2017年は前年を8万円下回りました。

この結果に、「そんなにない」と思った人も多いのではないでしょうか。

とはいえ、その感覚は間違っていません。

この貯蓄額には、現金の預貯金のほかに生命保険会社の積立型生命保険、損害保険会社の損害保険(火災・傷害保険のうち、満期時に満期返戻金が支払われる積立型のもの)、社内預金、国債をはじめとする債券、投資信託、株式なども含まれているから、そう感じるのでしょう。

ほかにも実際の調査対象には莫大な貯蓄がある一部の富裕層も当然含まれているため、全体の3分の2の世帯は、平均よりも下回るのです。