
北海道旧砂原町(森町)
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、北海道旧砂原町(森町)を写真とともに紹介する。
Vol.422/北海道旧砂原町(森町)
次にやって来たのは旧砂原町。森町の東側にあって、鹿部町の隣だ。
正午、お腹が空いて、お昼ごはんにしようかなと。するとお店が見つけて、丼や麺があると看板が立っている。暖簾もかかっているし、やってるかな。とそのまま入ってみることにした。
ガラガラ、と扉を開けた瞬間。
「イラッシャイマセ!」
と、ロボット調の女性の声が、真上から聞こえた。機械が天井に設置されていた。真上から機械にイラッシャイマセと言われるのは人生で初めてだ。その場から動くと同じように喋るので、何度か同じ言葉をかけられた。
店内は誰もおらず、電気も付いてなくて、「営業日じゃなかったんだ…」と思って出ようとしたら、真上から「アリガトウゴザイマシタ!」って。行きと帰りは区別できるんだ。
よくわからなかったな…とお店を出てすぐ、今度はガラガラとおじさんが出てきて、「ごめんよ、トイレ行ってたんだわ」と。店内へ逆戻り。こちらでお昼をいただいた。店主のおすすめは冷やしの海の幸ラーメンとのことで、「美味いから安心しろ」と。
「はあ、疲れたあっ!」
厨房から、おじさんの声が聞こえてくる。大丈夫だろうか。おじさんは今、ぼくのために冷やしラーメンを作ってくれている。でも、確かに厨房はものすごく暑いのかもしれない。