◆髙石あかり『御上先生』『アポロの歌』
2025年後期(10月スタート)の朝ドラ『ばけばけ』のヒロインに決定している髙石あかりも流石の演技を見せてくれています。日曜劇場『御上先生』では、文科省のエリート官僚・御上孝(松坂桃李)の出向先である私立高校の生徒・千木良遥役を。そして佐藤勝利(timelesz)とダブル主演で手塚治虫氏作品の実写化『アポロの歌』(毎日放送・TBS系)にも出演しています。
◆22歳とは思えない、唯一無二の存在感
『御上先生』では、旬の若手俳優が並ぶ教室のなかで“真面目で育ちが良く控えめな性格。成績も優秀で優しく友達思い”という設定をしっかりと表現。教室のなかでも、設定どおり控えめながらも目に留まる存在感を放っています。逆に『アポロの歌』では圧倒的ヒロイン。
『アポロの歌』は、手塚治虫氏原作の壮大なSF青春ストーリー「アポロの歌」を現代解釈した前人未到のパラレル・ラブストーリーです。幼少期の母とのトラウマのせいで、愛を軽蔑して生きている大学生・近石昭吾(佐藤勝利)。髙石は昭吾の幼なじみで、歌手になる夢を見ながらバーで働いている渡ひろみを演じています。しかしそれは第一世界での役柄。実は昭吾が「何度生まれ変わっても一人の女性を愛し、結ばれる前に死ぬ」という設定で、第二世界では人気歌手・シグマ、第三世界ではクローン合成で何度も蘇るシグマ王を演じています。髙石は世界線が変わるたびにきっちりとキャラを演じ分けており、目が離せません。彼女の演技力の高さには、第1話から唸らされました。
勤務先のバーで客に促されてKiroroの『長い間』を歌うシーン。Aメロからずっと歌っているのですが、サビの「気づいたの~あなたがこんなに胸のなかにいること~」部分の声色と絶妙な表情だけで、昭吾への複雑な想いを見せているのです。観る者が切なくなるほどに。まだ22歳!? おそろしい子!