その神崎を何かと茶化しているのか、どうなのか、風変わりなキャラクター設定でクラス内を活気付けているのが、次元賢太である。演じるのは、窪塚愛流。ネット上では、窪塚演じる次元がもっともキャラ立ちしていると話題だ。
彼が次元役に込める軽妙さ、浮き足立つ身体、ふわふわふわふわした存在感。プログラミングで並外れた才覚を持ち、妙に明るい次元賢太というキャラクター性のどこをどうつかみ、理解して役作りしているのだろうか?
◆綱渡りするかのような窪塚愛流

どこか生々しい表情が印象的な道化師という感じ。極めて曖昧な雰囲気。存在自体が不安定に見える次元役に対して窪塚は、綱渡りでもするかのようにキャラ立ちさせる。教室の外、校内の廊下にたたずむと、やたら脚長な全身が目立つ。
モデルでもある窪塚は、自らのビジュアルからそのフォルムを取り出して、輪郭自体を際立たせているような独特なたたずまいがある。内面的にも外面的にも他とは違う。
同話では、御上にやり込められた神崎にピースした右手をあげて、助っ人したいと申し出る。実にチャーミング。役柄と演じる本人の特性が不思議と調合された、ほんとうに謎にキャラ立ちした魅力の人である。
◆父・窪塚洋介が躍動した名作映画
