◆二次審査で80万円の用途を聞いてみると……

 二次審査はオンラインで、オーディション本部の担当者と一対一の面談形式で行われました。

二次審査で80万円の用途を聞いてみると……
「2時間くらいかかり、かなり長かったです。セリフを読むなどはなく、終始ヒアリングで、審査というより営業されている、という感じ(笑)。ただ、有名なプロデューサーさんから一次審査の私のセリフ回しについて褒めてもらえたのは、ひそかに感動しましたね」

 そして、ついに高額の費用についての説明に。やはり、ネットに書かれていたように、オーディション合格者には、約80万円の費用がかかると言われたのです。しかし、そこまで概要を説明されていた村瀬さんは、金額を聞いても驚かなかったと言います。

「オーディションに合格すると、あらゆるプロの方の指導やサービスを受けられます。1年間のボイトレはもちろん、宣材写真の撮影や自分のキャラ作成、サンプルの録音、ボイスドラマの出演など、確かにそれだけやるには80万円は余裕でかかるな、と思いました。つまり、このオーディションは“詐欺”というよりも、『80万円出して声優っぽいことをさせてもらえるプロジェクト』なんだな、と私は解釈しました」

 どうやら合格した後すぐにプロの声優になれるわけではなく、あらゆるサービスを経て、それを材料に声優としてアニメのオーディションを受け、自分でプロへのチャンスを得ていく、ということ。つまり、従来のルートではない、新しい声優への道の一つというわけです。