水晶体の主成分はタンパク質であり、一度硬くなると、元の柔軟性を取り戻すことはできません。
そのため、目を動かす運動や自律神経を改善させるマッサージ、老眼を改善させるとする薬やサプリメントも水晶体には効果がありません」(以下、すべて真鍋先生)
◆ピント調整力の低下は20代から始まっている!
老眼を自覚するのは40歳頃からであることが多いですが、実はピント調節力の低下は、20代から始まっていると真鍋先生は言います。
生活のほとんどが家の中やデスクワークの人は30代から、あえて少し弱めの度数設定(低矯正)にしておくことで、将来的な老眼対策になる可能性があります。
「老眼は誰にでも起こりうる、加齢に伴う自然な現象です。老眼に気づいたときは早めに老眼鏡や遠近のコンタクトレンズに慣れていきましょう。老眼だということを自ら認め、眼科へ相談に行くことが大事!
老眼を治すことはできませんが、適切な対策を講じることで、快適な視生活を維持できます。老眼が進んでから度が強い遠近の眼鏡やコンタクトをしても見え方に慣れない場合があります。そして、実は老眼ではなく緑内障が潜んでいることもあります。
40歳を過ぎてから目が見えにくくなった場合は、要注意です」
◆そのマッサージ、危険かも! 眼球を押すのは絶対NG

パソコンやスマートフォンを長時間使用した後など、目が疲れたときにマッサージをすると、一時的にスッキリしたような感覚を得られることがあります。
しかし、そのマッサージ、本当に目に良い効果をもたらしているのでしょうか。間違った方法で行うと、かえって目を傷つけてしまう危険性があると、真鍋先生は警鐘を鳴らします。
「目の周りには、多くの筋肉が存在します。これらの筋肉は、私たちがものを見る際に、常に働いており、特に近くのものを長時間見続けると、緊張状態が続き、疲労が蓄積します。