もちろん仕事で協力しあった男女が恋に落ちることはあるでしょう。ただ現実では大半の場合、仕事仲間としてのリスペクトはあっても恋愛感情に発展するケースは稀なように思います。
実際、石羽コンビもお互いを理解しあったり、尊重したり、優しくしたり、守ったりするシーンはありますが、それはあくまで仕事仲間として。
その描き方にはリアリティがあり、多くの共感を呼んだのではないでしょうか。
◆無理に恋愛要素を入れ、ファンの反感を買った例も
同じ2022年に放送されたドラマ『ミステリと言う勿(なか)れ』(原作:田村由美氏による同名漫画)で、“恋愛要素”を追加したことが物議を醸したことも、時代を象徴しているかもしれません。

確かに! 菅田×伊藤の恋愛シーンが観たい視聴者もいたかもしれませんが、それはぜひ、元から恋愛をテーマにした作品で観たいものです。
男女バディだからといって“恋愛要素”を無理やりにでも入れる時代は、とっくに終焉を迎えたのかもしれません。
◆必須ではない“恋愛要素”だけど、完全に不要なのか
今クールで放送されているリーガルドラマの男女バディはどうでしょうか。
『クジャクのダンス、誰が見た?』広瀬すず×松山ケンイチには、全く“恋愛要素”はありません。
父の死だけではなく父が刑事として犯した罪にも向き合わなくてはならない主人公・心麦(広瀬)と、22年前の冤罪を追いながら死刑囚の息子を弁護しなくてはならない弁護士(松山)。圧倒的ミステリー要素しかない展開に、“恋愛要素”を追加する余白は一切ないでしょう。