“恋愛要素”を感じさせながら大ヒットした男女バディの作品といえば、なんといっても『HERO』ではないでしょうか。
木村拓哉演じる型破りな検察官と、松たか子演じる生真面目な検察事務官(2015年劇場版では検事)が、東京地検城西支部を舞台に数々の事件と向き合うリーガルドラマ(2014年ドラマ、2015年劇場版は北川景子が検察事務官)。
大筋は検察官と検察事務官が反発し合いながらも仲間とともに、担当する事件を解決していきます。

そして犯人から守ったり、距離がぐっと近づいたり、お互いを男女として意識する“胸キュンシーン”も散りばめられていました。
「くっつきそうで、くっつかない」。
そのもどかしさに、本筋の事件と同じくらいハラハラドキドキしたことを覚えています。
前述した過去の男女バディ作品においても、そういった描写は多かれ少なかれありました。
トレンディドラマの名残なのか、人気俳優同士の胸キュンシーンを求める視聴者が多かったからか。平成当時、“恋愛要素”は男女バディにおいて必須だったのかもしれません。
◆令和は一転、もう恋愛要素は必要ない?
しかし、令和に放送されたある男女バディのリーガルドラマによって、“恋愛要素”はなくても作品は面白いことが証明されます。
それは、ドラマ『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』の石羽コンビです。

しかし、そんな展開はありません。凝り固まっていた自分の価値観を、一気にアップデートされた気分。その描き方こそが現実的だと感じました。