どうでもいいけど、軽々しく一生とか言ってんなよ。

 アバンだけでこの有様ですよ。やる気あんのか、こいつら。もうB’zもうるせーわ。

お口パクパク橋本環奈

 その後、結さんが口をパクパクさせながら何か音を出していると、マリエにっこり。ここでの結さんの「母親ってどうこう」みたいなご説法が意味を持たない理由については昨日さんざん述べたのでいいとしても、「好きなことを思いっきりやろう」というメッセージは、やっぱ引っかかるんですよね。

 結さんがマリエくらいの年のころ、糸島で悩んでいたことがありましたよね。翔也は野球、タマッチはダンサー、みんなちゃんと夢があって、私にはやりたいことが何もない。「農家を継いで平穏無事に生きる」くらいしかないことにコンプレックスを抱いていた。それだって農業ナメんなって話だったけど、それより自分自身がマリエと同じころに「やりたいことがない」で悩んでいたくせに、今のマリエが何をやりたくて、何が好きなのかも知らないのに、ただ漠然と「好きなことを思いっきりやろう」とか言ってんなって話なんです。会話をする気がないとしか思えないよ。

 あのさ、この後に結さんが、やえちゃんのことが気になってお弁当に手を付けられないというシーンがあるでしょう。石田っちに「食べなきゃもちませんよ」と言われる場面。

 作り手側としては単に「結さん落ち込んでます」という感情表現のために「食事も喉を通らない」という慣用句を映像にしてハメ込んでいるだけなんだけど、病院で、摂食についての話でこれをやると別の意味が出てくることに気づいてんのかな。

 マリエちゃんに内科的な疾患がなかったということは、結さんが「今は食べたくないな」と感じて箸が止まっている気持ちと同じものが、そのどんよりとしたやり切れない思いが、もう何年もずっと毎日マリエちゃんの心の奥に居座っているということなんです。

 結さんは一時的に食べたくないだけだけど、マリエちゃんはその「食べたくない気持ち」が染み付いて「食べられない」ことが日常になってしまっている。そういう状態の子に「好きな服を着て、好きなことを思いっきりやろう」なんて言って心が晴れると思うの? それは本当に今のマリエちゃんの痛みに寄り添ったセリフなんですか?