御上は槙野が自分を裏切って出世したと思っている。同期からの批判の眼差しをうまくかわしながら、時折どうしてわかってくれないものかとモヤモヤした表情を浮かべる。それがどこか機械的な感じもする。
第2話で槙野が販売機からコーヒーが出るのを待つ場面がある。販売機の扉が開き、閉まる。その間、岡田の手元にピントは合っていない。扉の開閉がやたら目を引くのだ。ロボット的な槙野性質をこの開閉する機械がたとえているのだろうか。
序盤からやたら怪しげな雰囲気を醸し、ネット上では、敵か味方かと考察が盛り上がっている。くせ強(つよ)、くせ者、怪しげキャラの供給源そのものが不思議な分け目にあるのかもしれない。スタイリングの細部ひとつで、ああだこうだ考えさせてくれる岡田将生のヘアスタイル変遷は、奥深いものである。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu