エスプレッソの特徴とは?
①独特の風味と深いコク
エスプレッソの最大の特徴は、独特の風味と深いコクです。深煎り豆をさらさらの粉状にした極細挽きを使用し、エスプレッソ専用のマシンで圧力をかけ、数十秒という短時間で抽出します。この抽出方法によって、豆に含まれる多くの成分が、普通のドリップコーヒーより凝縮されて溶け出し、独特の風味や深いコクに繋がります。
②クリアなテイスト
エスプレッソの特徴として、クリアなテイストも挙げられます。エスプレッソの抽出方法は、20世紀初め頃本場イタリアで考案されたものです。エスプレッソはイタリア語のesprimere (圧縮する)の過去分詞で、「特急」という意味です。短時間で抽出されることから、えぐみや雑味がなくクリアな味わいになります。
③クレマ・ボディ・ハートの3層
エスプレッソの特徴には、クレマ・ボディ・ハートという3層で構成されることもあります。クレマは最上層部分で、きめ細かな泡立ちのことを言います。ボディは中間層で、特有のコクや旨味が凝縮された部分です。ハートは最下層で、特有の香りが凝縮された部分のことを言い、アロマとも呼ばれています。
エスプレッソの本場の飲み方のポイント4選
①砂糖をたっぷり入れる
1つ目は、砂糖をたっぷり入れることです。本場のイタリアでは、エスプレッソは砂糖を入れて、初めて完成する飲み物と考えられています。砂糖をたっぷり入れることによって、エスプレッソの苦味が緩和されて、独特のコクやまろやかさが際立ちます。
②クレマを消さないように混ぜる
2つ目は、クレマを消さないように混ぜることです。本場ではシュガーを混ぜる時に、特有の香りを閉じ込めているクレマを消さないようにします。シュガースプーン山盛り1杯程度の砂糖を、クレマの上に優しく落としてそっと混ぜましょう。
③熱いうちに一気に飲み干す
3つ目は、熱いうちに一気に飲み干すことです。エスプレッソの特徴である、クレマ・ボディ・ハートの3層が揃うのは、わずかな時間に限られています。量も少なく、時間をかけるとすぐに冷めてしまうので、本場では3~5口で一気に飲み干します。
④底に溜まった砂糖をすくって食べる
4つ目は、底に溜まった砂糖をすくって食べることです。エスプレッソを飲み干した後に、カップの底に溜まった砂糖をスプーンですくって食べることも、本場のエスプレッソの楽しみのひとつと言えます。エスプレッソの深い苦味が砂糖の甘さと合わさり、スイーツのような味わいが楽しめます。
量を変える|エスプレッソの飲み方のアレンジ3選
①エスプレッソ・ドッピオ
1つ目は、エスプレッソ・ドッピオです。ショット1杯分(30ml)は、エスプレッソ・ソロと言い、ショット2杯分をエスプレッソ・ドッピオと言います。イタリア語でドッピオは、「ダブル(2倍の)」を表し、その名の通りに2倍のエスプレッソという意味になります。エスプレッソを、多く楽しみたい方におすすめです。
②ルンゴ
2つ目は、ルンゴです。通常の2倍の水を使って抽出したものを、ルンゴと言います。コーヒーに含まれている成分によって、水に溶けだす速度が異なります。苦味を示す成分は比較的ゆっくり抽出されるため、水の量が多いルンゴは、抽出時間が長くなり、しっかり苦味を出した味わいになります。
③リストレット
3つ目は、リストレットです。ルンゴとは逆に、2分の1の水で抽出したものをリストレットと言います。抽出時間が短くなり、苦味や酸味が抑えられた味わいになります。さらに水の量が少ないため、濃厚で飲み応えがあります。
ミルクをプラス|エスプレッソの飲み方のアレンジ5選
①カフェラテ
1つ目は、カフェラテです。2:8の割合で、エスプレッソにスチームドミルクを加えたものです。イタリア語の意味は、カフェはコーヒー、ラテは牛乳を表しています。つまりカフェラテは、コーヒー牛乳という意味の飲み物です。
②カフェ・コン・レチェ
2つ目は、カフェ・コン・レチェです。1:1の割合で、エスプレッソとスチームドミルクを混ぜたものです。カフェラテが2:8の割合であるのに対し、1:1の割合なのでミルクの量が少ないのが特徴です。エスプレッソの割合が多いため、苦味やコクをより強く感じられます。
③カプチーノ
3つ目は、カプチーノです。エスプレッソに、スチームドミルクとフォームドミルクを3:3:4の割合で乗せています。カプチーノはカフェラテと似ていますが、泡立てたミルクで滑らかな口当たりになり、よりミルクの甘みを強く感じられます。泡の上に、ココアやシナモンのパウダーをトッピングしたカプチーノもあります。
④フラットホワイト
4つ目は、フラットホワイトです。1:3の割合で、エスプレッソとスチームドミルクを加えたものです。カフェラテやカプチーノよりもミルクの量が少なめという特徴があり、よりコーヒーの味わいが感じられます。ニュージーランドやオーストラリアが本場の、アレンジコーヒーです。
⑤マキアート
5つ目は、マキアートです。エスプレッソに、フォームドミルクを少量乗せたものです。マキアートはイタリア語でシミの付いたという意味があり、表面に浮かんだミルクの跡がシミに見えることから、マキアートという名前が付けられました。
マキアートはカフェラテなどにも似ていますが、フォームドミルクを使うことやミルクの量がかなり少ないことなどの違いがあります。本場のイタリアでは、カフェラテよりもマキアートを好んで飲まれています。またキャラメルソースを乗せると、キャラメルマキアートにもアレンジできます。