結婚式に参加できなかった友人からは、式場にご祝儀を送ったと連絡がきていました。ややイレギュラーなケースですが、式場からは受付係に渡したと聞かされていました。

「とはいえ、欠席者に祝儀袋をもらっていないとは伝えられず、受付をしてくれていた友人を疑うわけにもいかず、結局あるはずのお金が返ってこないまま闇に葬られました」

 誰も疑いたくない反面、もしそうであったら……と最悪の事態を考えるのも当然のこと。実際、いくらの金額がなくなっていたのでしょうか。

◆計15万円もの金額が抜かれていた

結婚式
 松田さんは、友人を疑いたくない気持ちはありましたが、お金の入っていない祝儀袋があまりにも多いことから疑念を抱くようになりました。

「計15万円はなくなっていたと思います。欠席者3人からの祝儀袋が届いていなかったのと、2人分のカラの祝儀袋を見つけました。さすがに、5袋分の金額は大きすぎると頭を抱えましたね」

 夫と相談した結果、金銭トラブルを回避するため、誰にも祝儀袋事件については言わなかったようです。

「さらに、受付を担当してくれた友人から、新婚旅行のお土産として1万8000円の香水を頼まれていました。お土産なので友人に請求することもできず、もやもやしたまま過ごすこととなりました」

 犯人は結局誰だったのでしょうか。受付の友人なのか、はたまた別の人物なのか……。松田さんは、これを機に仲のいい友達でも簡単に信用してはならないことを学びました。

<取材・文/Honoka Yamasaki イラスト/朝倉千夏>

【Honoka Yamasaki】

昼間はライターとしてあらゆる性や嗜好について取材。その傍ら、夜は新宿二丁目で踊るダンサーとして活動。
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