矛盾した考えも丸ごと受け入れる

人に厳しい目を向ける思考タイプの人の多くは、

「でも、その人は、私とだけじゃなくて、他の人たちと話をしているときだって、人の批判ばっかりしているんですよ」

と、自分と相手の関係性を改善するだけでは納得できないという顔をします。

正義感や他の人たちへの同情心があるとしても、自分の欲求や思いを抑えて、自分に厳しい生き方を強いている人は、他の人にも自分と同じような我慢を強いたくなってしまうのです。

本来、自分の生き方は自分のものです。他者がどういうふうに生きようが、それは自由です。

他人が、自分の能力をひけらかそうが、人を批判しようが、自分の自慢話ばっかりしていようが、その人たちの「自由」です。

他者がどういうふうに生きようが、テレビや雑誌や新聞やネットに登場する有名無名の人たちが自分と直接関係がないのと同様に、自分とは関係がありません。

けれども、他者や外側の基準に束縛されて自分に厳しく要求したり強制したりしている人は、自分がそんな生き方をしているがゆえに、他者もそうしないと不快に思いがちです。

中には、自分に関係ない人たちにも干渉して、それがさまざまなトラブルにつながってしまう人もいます。その結果、自ら、いっそう厳しい人生にしていくのです。

そういう人ほど、自分の心に寄り添った選択や自分の欲求を満たす選択を、自分のためにしてあげることが先決です。

この例で言えば、相手の話を”聞きたくない”と感じたら、自分のその気持ちを優先することが、自分を大事にすることになります。

もちろんその”聞きたくない”を優先するには、他者とのつきあい方のスキルの問題があります。自分にそのスキルがなければ、すぐに”聞きたくない”を実現させることは難しいでしょう。

そんなときは、”聞きたくない”と”難しい”という、その両方の気持ちを自覚して受け入れるだけでもいいのです。

これが、自分の心に寄り添うということです。

仮に自分の中に、相反する二つの気持ちが起こったとしても、それらを素直に受け止めることができれば、次第に、「自分の心に寄り添った生き方をしよう」と決断したくなっていきます。

そして、実際に、少しずつ「自分の心を優先する行動」をしたくなっていくでしょう。

(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

石原加受子(いしはら・かずこ)
心理カウンセラー。心理相談研究所オールイズワン代表。日本カウンセリング学会会員、日本学校メンタルヘルス学会会員、日本ヒーリングリラクセーション協会元理事、厚生労働省認定「健康・生きがいづくり」 アドバイザー。性格改善、対人関係、親子関係などのセミナー、グループ・ワーク、カウンセリングを実施。メルマガ『楽に生きる!石原加受子の「自分中心」心理学』 を配信中。著書は累計100万部超。

【こちらの記事もおすすめ】
財布にSuicaは入れない、カードは1枚のみーーお金の神様と上手く付き合う方法
なぜ自分のためにお金を使うと「お金が増える」のか?
「もったいない」「安いから買った」??その行動でお金が入らなくなる?
お金を貯めたいなら財布選びで意識したい「風水」
なぜ「限定」に弱い女子はお金が貯まらないのか?