「A子ちゃんは心霊とかおばけがとにかく苦手だったので、それはもう怖がってしまい、身の回りに気をつけるように言ってすぐに電話を切ったそう。その日はもう遅かったのでY川さんはリビングのソファで寝たみたいです。
翌日、弟にどういうふうに見えているかもっと詳しく教えてくれと言うと『毎日服装が違う』らしいと。で、これは生霊なんじゃないか、元カノとかY川さんのことを好きな女性の念なんじゃないかっていうんですね。
それでもう一度A子ちゃんに電話をかけて、すぐ帰るから2人でお祓いをしてもらおうってなったらしくて」
◆頼れるのは弟だけ、必死で問い詰めると…
余計な心配をかけたくないと両親には黙っていることにしたY川さんは、急な仕事で帰ることになったと伝えます。
「それで家を出る直前、唯一霊感のある弟を質問攻めにしたらしいんですよ。お祓いすれば本当に大丈夫なんだよなとか、俺はどうしたらいいんだ、些細なことでも何でもいいから教えてくれって。
もうすぐ結婚するっていうのに、女性の生霊に取り憑かれてるかもしれないなんて、そりゃ不安にもなりますよね」
すると弟の口から耳を疑う言葉がこぼれます。
◆弟の嫌がらせだったことが判明
「『嘘だった』って白状したそうです。全部嘘だったんですよ。全部Y川さんに対する嫌がらせだったと」
弟はなぜそんな嘘をついたのでしょうか。
「結婚おめでとうってお祝いしてくれてたのに『なんでそんなことしたんだ、彼女もすごい怖がっちゃったんだけど』と。そうしたら、本当は兄であるY川さんが幸せになるのが妬ましいというか、うまくいかなきゃいいと思ってそんな嘘をついたってわかったんです。
A子ちゃんはその弟と面識はなくて、べつに兄弟仲が悪いって話も聞いたことがなかったそうなんですよね。だから2人の間に何があったかは知らないんですけど、実の家族からこんな悪意に満ちた嘘をつかれるなんて怖いですし悲しいですよね」