職人さんの話を聞けること、大声で騒ぐ性格ではないことを伝えつつ、和菓子や抹茶が初体験の子どもがいることなどを伝えました。お店は、和菓子のわかりやすい説明、苦味を甘くするような工夫などをしてくださり、子ども達にとって心に残る素敵な体験になりました。
このようにあらかじめ店と事前確認をすることは、店内で気持ちよく過ごすために重要なステップになるでしょう。つまり子連れに優しいレストランの条件とは、中身がしっかり伴っていることだと、経験を通して断言できます。
◆高級レストランで食事ができる子どもが優秀なわけではない
ここで誤解がないように確認をしたいことがあります。それは、高級レストランでおとなしく食事をできる子どもや乳児が優秀であるというわけでは決してないということです。
子どもの個性は多様であり、マナー習得などの成長のスピードも子どもによって異なります。ですから、他の子どもが高級レストランで食事を楽しんでいたとしても、自分の子どもも同様に幸せであるとは限りません。
親の考えや価値観も同じではありませんから、まずは親の希望、子どもの特性や願望などを整理して、自分たちが高級レストランで安心して楽しめるかどうかを店に相談してみるのが賢明です。
先日訪れたイギリスの有名ホテルのティールームには、子ども専用のメニューがあるだけではなく、食事中に楽しめるクイズやゲームブックが用意されていました。
乳児がくつろげるソファ、心地よい音楽、隣席との適度な距離、残った食べ物をテイクアウトに切り替えられるような柔軟対応など、子連れへの対応は一流そのものでした。お客が不安を抱えたまま遠慮をして食事をすることは、真の一流店は望んでいないはずです。
ちなみにロンドンの超人気ステーキ専門店では、子ども専用のサイズやリーズナブルな料金設定が用意されていました。周りを見渡すと、おいしそうな肉料理に親子で熱狂するテーブルがちらほら。そんな光景さえも楽しい雰囲気に変えてしまう店側の対応力には驚きました。