発言そのものが店の評価を押し上げたり、子育てママやパパを救うような実効性があるかはまったく別の問題です。ですから、今回の鳥羽氏のX上での発言だけで賛否を判断するには困難。そしてもちろんヒーロー扱いするのは過剰であり、本人もそれをねらって言ったわけではないと信じたいのです。
ちなみに子連れレストランでの食事について、よく言われる定説イメージがあります。それは、「日本は子連れに厳しいけれど、海外は寛容である」というもの。
実はこう言い切れるような時代ではありません。日本でも子連れ客に手厚い高級レストランはたくさん存在しますし、海外であっても子連れNGの店は多くあります。それでは、子連れ客が安心して食事を楽しめるレストランはどのような店のことを言うのでしょうか?
◆子連れOKな一流レストランの条件とは?
お客の目の前で生菓子を作って提供してくれる和菓子店。始終和やかな体験をさせていただきました 例えば、子連れOKのレストランについて、サービス、メニュー、設備などの細かいところをチェックしてみましょう。
乳児のおむつ交換、子どもが快適に食事ができるテーブルやイス、子どもが食事を楽しめるメニューや配慮など、どこまで具体的に用意されているでしょうか? これらが全くない、ほとんどそろっていないのに、子連れOKですと言われても、お客は快適な時間を過ごすことはできないでしょう。
つまり今回の鳥羽氏の発言は、レストラン経営・運営の視点を持つプロ発言というよりは、一般人へのリップサービス的な要素が強かったのかなと推測しています。そしてこの発言をどう感じるかは、受け取る人の状況や考え方によって違って当然です。
高級レストランではありませんが、私はある日、東京の老舗和菓子店に子ども3人を連れて行きました。ここは目の前で好きな生菓子を作って食べさせてくれるサービスがあり、事前に店側と認識合わせをすることにしました。