▲蔵の入り口に架かる杉玉

本通り商店街より1本裏手に入った道にある酒蔵です。『白馬錦 金紋錦 純米大吟醸』が令和5年度の新酒鑑評会で金賞を受賞しました。

▲秋の酒造りを待つ広い仕込み蔵

4月になると北アルプスの山中にある七倉ダムのトンネルに、大町産の美山錦で作られた純米吟醸酒を搬入。温度が一定で光が差さず、振動のないトンネル内で4カ月熟成し、秋に出荷される『純米吟醸 雪中埋蔵』も人気です。さらに2024年に新登場した瓶内二次発酵のスパークリング日本酒『 STARS AND SPARKLES 』は、試飲会でも大好評の一本だとか。

▲仕込みタンク内の発酵を均一にする櫂入れを実演する杜氏の松浦宏行氏

杜氏の松浦宏行氏は石川県南西部にある山中温泉の酒蔵の出身で、兄が今も酒蔵を経営。松浦氏自身も昨年、新酒鑑評会で金賞を受賞しましたが、目指のは食卓に自然に並ぶお酒。「普段使いのお酒を家で楽しみながら飲んでいただきたい」とのこと。

▲『白馬錦 純米酒(ウサギギク)美山錦』

杜氏の願いに合わせて、お手頃な純米酒を選んでみました。酒米は長野県で品種改良され、日本で3番目に多くのお酒に利用されている美山錦。北関東や東北など、寒冷な土地で作られています。大町産の美山錦は精米歩合65%で、女清水で仕込みます。優しい当たりで、甘味と旨味が膨らんで、サラリとしたクリアな後味が残る心地のいいお酒です。

井戸水と水道水を使い分け、米の味にこだわる酒蔵

北安(ほくあん)醸造は創業以来お米の旨味をしっかり感じるお酒造りをしています。お米はひとごこちをメインに、金紋錦や山恵錦など、長野県で開発された酒米を、大町とその南隣にある松川村で生産。注目は、松川村在住の杜氏が米農家であること。1年を通じて杜氏自ら米造りと酒造りを行っていて、そんなストーリーもお酒の美味しさを引き立てます。

▲一部に創業当時の建物も残っています