◆③子どもの消化機能は未熟。消化不良を起こす可能性も

子どもの腹痛
 国立健康・栄養研究所によれば、小児(生まれた直後の新生児から、乳児期、幼児期を経て学童期を終わるまでの時期)の摂取能力や消化・吸収機能は発達中であり、成人に比べて未熟であることがわかっています(※)。つまり食物の過剰・不適切な与え方は消化不良を起こす可能性があるということ。

 また消化能力については、糖質の消化酵素は4歳で大人なみになるものの、胃、小腸、大腸などの機能においては未熟です。このことからも、焦って辛いものを与えすぎることのリスクは決して軽視してはいけないと考えることができるでしょう。

 子どもの食事を考えるにあたり、万全の注意を払う姿勢に無駄はありません。ちなみに辛さの感受性については個人差があり、辛さに強いかどうかは遺伝子の違いが関係している可能性も指摘されています。

 子どものみならず大人に対しても辛いものが苦手な人に無理強いするのは控えた方がよいでしょう。

 ちなみに大人が辛いものを好んで食べるようになる理由もおおよそ明らかになっていますので、その話はまた別の機会に……。

※2 参照…国立健康・栄養研究所「ニュース・Q&Aコーナー - 楽しい健康栄養談話室」

<文・撮影/スギアカツキ>

【スギアカツキ】

食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12