30代会社員、マイホーム購入時に購入資金として「500万円」の贈与を親に相談しようと考えています。どのように贈与を受ければいいですか?
住宅価格が高騰しています。住宅ローンの金利も上昇しており、マイホーム購入に際し購入資金を親に援助してもらいたいと考える人も多いでしょう。この記事では、親から贈与を受ける方法と留意点についてポイントを解説します。

▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?

暦年贈与とは

親から子どもがマイホームの購入資金を無償でもらった場合、子どもに贈与税が課される場合があります。贈与税の課税方式には、(1) 暦年課税、(2) 相続時精算課税の2種があり、それぞれに非課税枠が設けられています。
 
暦年贈与の贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から基礎控除額110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下なら、贈与を受けた人には贈与税はかかりませんし、贈与税の申告も不要です。
 
110万円を超えた場合は、超過分に贈与税がかかります。たとえば、親から500万円の贈与を受けた場合の子どもに課される贈与税は48.5万円です。
 

(計算式)

基礎控除後の課税価格 : 500万円 - 110万円 = 390万円
贈与税額(特例贈与財産用の速算表より) : 390万円 × 15% - 10万円 = 48.5万円

 

マイホーム取得資金の贈与税の特例

父母や祖父母など直系尊属からマイホームの取得資金として贈与を受ける場合、「受贈者(贈与を受ける人)に関する要件」と「住宅に関する要件」を満たすときは、110万円の基礎控除額に上乗せして、省エネ等住宅の場合には1000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までのマイホームの取得資金の贈与が非課税となります。
 
この特例は、暦年贈与や相続時精算課税との併用が可能です。なお、特例は、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの贈与が対象です。配偶者の父母や祖父母から贈与を受けても、自分の直系尊属ではないため、特例を利用できませんので留意しましょう。
 
夫婦がそれぞれ自分の父母から贈与を受ける場合は、「共有名義」でマイホームを購入すれば、夫婦ともにマイホームの贈与税の特例が利用できます。夫婦でペアローンを組めば、住宅ローン控除も夫婦がそれぞれ受けられます。