◆蓮舫氏の二重国籍問題と、批判への違和感
蓮舫さんは、今はなくなってしまった民進党の代表を務めていた時代があります。この時に、二重国籍の問題が指摘されました。もともと、台湾(中華民国)国籍を持っていましたが、日本国籍を取得した後も、台湾国籍を取得したままになっていたという指摘です。2016年に台湾籍を離脱したので今は二重国籍ではないですし、ずっと東京で育っていた人でもあります。
蓮舫さんは僕が中学生ぐらいのときに、タレントとしてビートたけしさんの『スーパーJOCKEY』(日本テレビ系)に出てた頃からテレビでは知られていた存在でもあり、日本で活動してきたのは周知の事実です。ですが、この国籍問題に関して不思議だなと思うことが一点あります。
二重国籍の問題を指摘するときに「中国」という言葉を使って批判する人が多いですが、台湾という国に対しての知識がちょっとでもあると、これを中国という言葉でひとまとめにはできないと思います。もちろん中華人民共和国側はそういう意図でしょうが、必ずしも中華人民共和国的な視点に立つ必要はないと思います。
台湾では民主的な選挙が行われて、先日、頼清徳新総統が誕生しました。日本にも「台湾加油(=台湾がんばれ)」と台湾を熱く応援する人がたくさんいます。ネットにも、SNSアカウントに台湾を応援していることをわざわざ書いていたり、「台湾の民主主義を守れ」と発信をしている人もいます。
こうした人たちは、台湾ルーツの蓮舫さんが日本人として立候補するのは素晴らしいことじゃないか、という反応をするかと思いきや、そうでもありません。SNSで台湾を応援していると言っているアカウントの中で、なぜか蓮舫さんの国籍になると「中国系の議員」と表現している人を見かけます。いやいや、そこはあなた、台湾を応援しているんだから一緒くたにはしないでしょう……と思うんですが、どうも蓮舫さんに限っては中華人民共和国的な視点に立ってものを言ってしまうようです。とても不思議です。
都知事選には日本国籍でないと出馬できないので、今回の選挙戦において蓮舫さんの国籍は問題ではありません。蓮舫さんはかつて民進党の代表を務めていました。その際、短期間で代表の座を降りたことは、組織のトップとしての手腕が問われるとも思います。