──歴史エッセイスト・堀江宏樹が国民的番組・NHK「大河ドラマ」(など)に登場した人や事件をテーマに、ドラマと史実の交差点を探るべく自由勝手に考察していく! 前回はコチラ

 『どうする家康』第34回「豊臣の花嫁」は、秀吉との戦に執着する家康(松本潤さん)が、石川数正(松重豊さん)が出奔した真意に気づき、秀吉(ムロツヨシさん)に臣従することを決意するまでの姿が描かれていました。数正の出奔は、前回のコラムでの筆者の見立てとおり、家康に秀吉との決戦を諦めさせる、いわば「抑止力」となるための行動だったという設定でしたね。

 秀吉は家康に上洛、つまり自分の臣下となることを求める一方で、その見返りとして、彼の異父妹にあたる旭姫(山田真歩さん)を「正室」という名の人質として家康のもとに派遣し、さらには大政所(秀吉の生母・なか/高畑淳子さん)まで差し出すことにしましたが、それでも家康は和平を拒否し、「要らんおなごを押しつけとるんじゃ。ここ(=徳川家)を姥捨て山とでも思っとるらしい」などと発言。結果、於愛(広瀬アリスさん)からは「あまりにもひどい言いよう」と怒られ、於大の方(松嶋菜々子さん)からも「おなごは男の駆け引きの道具ではない!」と叱られていましたね。