富裕層の親は30倍教育に投資?
こうした数字はあくまで一例でしかなく、実際の額は家庭によってかなり差がでるだろう。また教育に湯水のごとくお金を費やしたからといって、エリート街道が保証されているわけでもない。
しかしホーレス・マン・スクールのように、保育園から入園している生徒は小学部にエスカレーター式で進学できるなど、幼いうちにエリートの門をくぐらせておくことで、将来差が付きやすい環境が定着している。(ビジネスインサイダー2017年12月1日付記事 )。
これに対し、米国の親が子どもの小学校~大学卒業までに使う教育費は、平均5.8万ドルであることが、HSBCの調査から明らかになっている。調査は、米国・英国・中国・シンガポール・カナダなど15カ国の8400人以上の親を対象に行ったもので、学費や書籍、通学費、寄宿費を含む(CNN2018年6月29日付記事 )。単純計算すると、富裕層の親は庶民の親のおよそ30倍の教育費を子どものために使っているのだ。
高・低所得家庭の子どもの数学・読解力の差が拡大
これだけの教育を受けている子どもとそうでない子どもに、成績に差がでるのは不思議ではない。「一般的に、裕福な家庭の子どもは低・中所得家庭の子どもより学校の成績が良い」といわれる所以も、経済的な要因が生みだす教育や家庭環境の差が影響しているのではないか。
裕福な家庭の子どもはまだ言葉もおぼつかない早い年齢から、保育園も含め様々な刺激や教養にふれる機会を与えられているが、特に低所得家庭の子どもは経済的な理由からそうした機会を逃す傾向が強い。また数学と読解力の差は1970年以降拡大しているという(ワシントンポスト2017年9月26日付記事 )。
日本でも子どもの貧困問題が深刻化しているというが、アメリカでも家庭の経済状況による教育格差が幼少期から始まっているようだ。
文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online
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