◆赤楚衛二ファンにはたまらない目配せ!?

『ペンディングトレイン』より © TBS
――山田さんの魅力がこれでもかと放たれつつ、本作に感じる“赤楚衛二感’'もたまりません。第2話、空を見上げた優斗がお好み焼きが食べたいと言いますが、あれは『舞いあがれ!』(NHK総合、2022~2023年)のお好み焼き屋の息子役を思い出すような眼差しだなと。朝ドラ放送後のちょっとした目配せなのかと思いましたが。

金子:『ペンディングトレイン』はかなり前から脚本を書いていたので、『舞いあがれ!』の設定をあとから知りました。なのでそういう意図はないです、すみません(笑)。

 でもそれだけ多くの作品に立て続けに出演してこられて、いつでもあの清涼感と共感性を保ち続ける赤楚さんは、本当に次世代を担う役者さんになられるのだろうなと思います。「共感性」というのは、天賦の才だと思いますし、スターになるべくしてなる人だけが持つ資質だと思うので。

――他の俳優陣についても感想を教えてください。

金子:まず教授役の間宮祥太朗さん、6号車のウエンツ瑛二さん、萩原聖人さんなど、実力派を結集させた宮﨑プロデューサーの卓越したキャスティング力には驚くばかりです。

――間宮さんの登場は不思議な存在感でした。

金子:物語を締める、底知れぬ力を感じますよね。そして電車の乗客たちについては車両に乗り合わせても違和感がなく、リアリティとファンタジーが両立する方をイメージしていました。

 すぐ隣にいそうでいない紗枝役の上白石萌歌さん、あれだけのクセの強い玲奈役を本当に魅力的に演じてくださった古川琴音さん。大学院生ならではの知識を活かす加藤祥大役の井之脇海さんは、説明する台詞が多いのに、ナチュラルではっきり聞こえる。そしてとにかくチャーミングな俳優さんです。

――井之脇さんは芸歴が長いですね。

金子:米澤大地役の藤原丈一郎さんと和気あいあい、やられていたようです。

 その藤原さんは、普段、アイドルグループでご活躍されているのに電車に乗られてそうな親近感がありますよね。私自身も米ちゃんの陽気なオーラに何度も救われました。本当に素敵なコンビです。

――なるほど、そこのバディ愛も芽生えて。

金子:もしかしたら、最大のハッピーエンドは加藤&米澤ではないかという説があるので(笑)。それぐらい幸せな、もうひと組のバディになったと思います。