◆きらぼしのようなイケメン俳優たちの魅力とは

『ペンディングトレイン』より © TBS
――本作の山田裕貴さんや赤楚衛二さん、『私 結婚できないんじゃなくてしないんです』の瀬戸康史さん、『中学聖日記』の岡田健史さんや町田啓太さん、映画『羊と鋼の森』の山﨑賢人さん、『着飾る恋には理由があって』の横浜流星さんなど、金子さんの作品には、今をときめく“きらぼし”のようなイケメン俳優たちが出演しています。令和に入り、新たな世代のイケメン俳優も続々登場していますが、金子さんから見た彼らにはどんな魅力がありますか?

金子:大前提として、ドラマの中で俳優さんを過度にイケメン扱いすることを私はあまり好みません。むしろ彼らが「どう」イケメンなのか。それはヒロインに関しても同じです。「どんな人なのか」それが大事だといつも思っています。

――単に見た目がイケメンということではなくですね。金子さんが脚本家デビューした1990年代、ちょうどイケメンという言葉が世の中に出てきた時期と重なるのも興味深いです。

金子:なるほど。それは、なかなか考えたことがない視点でした。ですがいつも、どの作品でも、どうしたらその人が輝くのか。その方ご自身が持っている特性を生かしながら、その魅力が大きく花咲くように、プロデューサーや監督と相談しながら知恵を絞ります。

『着飾る恋には理由があって』で藤野駿を演じた横浜流星さんは、非常に繊細に揺れ動くお芝居をされていました。ご自身もソフトな方で、飄々(ひょうひょう)としているかに見える駿の心の奥の揺れが出てきたときにこそ、彼特有の「イケメン」を表現できたことになるのだろうと思います。