◆相葉雅紀主演舞台でのアレンジ
――同作での横浜さんは軽快な調子ですが、でもある場面では視聴者にしか見せない繊細な顔をする。ベスト・オブ横浜流星の演技だなと思います。
金子:すべての俳優さんにとって言えることですが、心が揺れ動く場面が重要だと思います。弱さと強さが混ざりながら、どんな表情が現れるのか。そこに人は魅力を感じると思います。そしてその魅力を最大限引き出すことが私たち制作サイドの役目です。
でも一度ご一緒して、見えてくる魅力もあります。例えば赤楚さんは、パブリックイメージとは少し違い、どこか掴みどころのない、独特の雰囲気が漂っているように思いました(笑)。実は直哉っぽくて、ふっといなくなってしまいそうな印象を受けました。
もしいつかまたご一緒する事があれば、そういう感覚が役柄のアレンジに影響するのだろうなと思います。
――どのように観察するんですか?
金子:事前にお会いすることもありますし、ありとあらゆる出演作や、動画、インタビューなどを参考にさせてもらうこともあります。
昨年、脚本を書いた相葉雅紀さん主演の舞台『ようこそ、ミナト先生』では、テレビで見るような相葉さんの明るいキャラクターではなく、そのチャンネルが切れ、すっと無の状態になる瞬間を役柄としてアレンジしました。
――『ようこそ、ミナト先生』以降、TBSの特別ドラマ『ひとりぼっち-人と人をつなぐ愛の物語-』(2023年)でもスイッチがうまく切れている役でした。
金子:相葉さんは、スイッチがオフになったお芝居もお上手です。いずれにしろ、その人の素の部分を垣間見ることで、キャラクターの感情の揺らぎは書きやすくなります。
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