◆感情の行き違い、相手を思うがゆえのすれ違い

 一方の新名夫妻は、妻が夫を大事に思っていたこと、そして夫の気持ちが自分から離れていっていることに気づき、いても立ってもいられなくなっている。

 誠は、なんとかみちを引き止めたいと思い、彼女が旅行をする当日の朝に会おうとメッセージを送る。みちは絶望の淵で、そのメッセージに頼ろうと待ち合わせ場所にやってきたが、誠はみちの幸せを邪魔してはいけないと思い直し、妻の待つ家に戻っていった。

「困らせてごめんなさい。本当に同僚に戻ろう」

 夫から裏切りを告げられ、誠へのくすぶった恋心が再燃しつつあったみちは、待ち合わせ場所でへたりこんでしまう。

 感情の行き違い、相手を思うがゆえのすれ違いが観ている者の心を揺さぶる。