30代男女の禁断の恋愛ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、木曜よる10時~)。話題の作品を、夫婦関係や不倫について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。

◆すれ違いが絶妙に描かれ、ドラマが一気に転換した

『あなたがしてくれなくても』
『あなたがしてくれなくても』第6話より ©フジテレビ(以下同じ)
 夫婦のセックスレスと不倫の恋、そして真実の愛とは何かがテーマになっているドラマ『あなたがしてくれなくても』の第6話。みち(奈緒)と陽一(永山瑛太)、誠(岩田剛典)と楓(田中みな実)の夫婦それぞれのせつなさと、みちと誠のすれ違いが絶妙に描かれ、ドラマが一気に転換していった。

 特にすごかったのは、裏切りの告白をしたときの永山瑛太と、それを聞かされた奈緒の演技だ。

 夫婦で久しぶりに旅行しようとしていた当日の朝、陽一は「旅行にいってもできないかも」とつぶやく。少しずつ話が煮詰まり、「どうしてもできないなら病院に行こう。私も一緒に行くから」と前進しようとする妻。「怖いんだよ、みちだけできないなんて」と心の叫びを言葉にしてしまう夫。どういう意味、と小声になる妻。「一度だけみちを裏切った」とずっと心にわだかまっていたことを口にする夫。