自分の老後に必要な資金を見積もる

(写真=PIXTA)

 

個別相談に来られる方には、それぞれの目標と性格(リスク許容度)を考慮して、老後に必要な資金を見積もります。もちろん、1回で完璧に決まるわけではありません。必要資金を計算したら「退職までに毎月20万円の貯金が必要」という結果になることもあるので、その場合は目標設定や運用方法に戻って、徐々に実現可能なプランに近づけていきます。

「老後の資金はいくらぐらい必要ですか?」というご質問は非常に多いのですが、生活費も年金額も違う方々に一律で「2,000万円必要です」と答えると、人によっては「無理だ」と諦めるでしょうし、人によっては「大丈夫だろう」と油断してしまうかもしれません。

この質問をされる方は、多かれ少なかれ将来に不安を持っている人です。この不安は、一般的に必要な老後資金を聞くより、自分で目標を設定し、自分の性格に合ったプランを一歩ずつ考えていくことで、次第に解消していきます。

実行と毎年の見直しが最も大切

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退職後のプランを立てる際は、その人が何歳で引退してどのような生活を送りたいのかという「目標設定」が何よりも大切で、その後に性格などを考慮して実現可能なプランを立てることをご紹介しました。

プランは実行してこそ意味がありますが、残念ながら社会情勢の変化や目標の変更などで、当初のプランどおりになることはほとんどありません。しかし、プランを調整できる期間が長ければ長いほど、修正はしやすいです。理想の老後を迎えるために、早めに退職後のプランを考えて、定期的に見直しましょう。

文・松岡紀史
肩書・ライツワードFP事務所代表/ファイナンシャルプランナー
筑波大学経営・政策科学研究科でファイナンスを学ぶ。20代の時1年間滞在したオーストラリアで、収入は少ないながら楽しく暮らす現地の人の生活に感銘を受け、日本にも同様の生活スタイルを広めたいという想いから、 帰国後AFPを取得しライツワードFP事務所を設立。家計改善と生活の質の両立を目指し、無理のない節約やお金のかからない趣味の提案などを行っている。

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