もちろん真実を報道するニュースなどのメディアにおいてはヤラセは悪という考えがあってしかるべきだが、漫才やコントなどの嘘の世界を披露してお客さんを楽しませるお笑いにおいて、今さら多少の嘘や演出があったところで何だというのだ。極端なことを言うと、お客さんが笑い、そして満足すれば嘘だろうが本当だろうがどちらでも良いのではないだろうか。

 もし今回の審査がヤラセだとして、一体なんの問題があるというのだろう。本当にヤラセだとしても、R-1グランプリ、はたまたテレビ業界自体がスターになる可能性を感じた「田津原理音」さんという芸人に白羽の矢を立て、大会を通じて一気にメジャー芸人に押し上げて、今後のお笑い界の発展を願ったというだけで、誰にも迷惑をかけていない。

 もちろん王者に選ばれなかった他の芸人は不服だろうが「運も実力のうち」という言葉があるように、今回王者に選ばれた田津原さんには他の芸人より運があったということで、実力の差が出たので仕方がない。

 とまあここまでヤラセ前提で話をしてきたが、これは全て僕の独断と偏見を踏まえた憶測でしかないので、ヤラセなのか真実なのかはわからない。つまりヤラセ疑惑は疑惑の範疇でしかないのだ。