例年に比べて話題が豊富だった「R-1グランプリ2023」。昨年のM-1グランプリ王者、ウエストランドさんによる「R-1グランプリには夢が無い」発言を皮切りに、コットンのきょんさんが見せたファーストステージのネタへ対する物議や、同じくきょんさんのファイナルステージのネタに対して、「音声を多く使い過ぎて、一人芸と言えるのか」問題、そして極めつけはチャンピオンは元々決まっていたのではないかという「ヤラセ疑惑」だ。

 今回は元芸人目線でR-1グランプリ2023における『ヤラセ疑惑』を分析していく。そもそも今大会がなぜ『ヤラセ』と言われてしまったのか。それはトップバッターである「Yes!アキト」さんの採点が発表されるシーンでとある問題が起きてしまったのが原因だった。「Yes!アキト」さんに対する審査員たち各々の点数が披露され、本来なら合計点「456点」でスタジオの巨大モニターの1位の欄に表示されるはずだった。

 しかし、一瞬だけ7番目に出番を控える田津原理音さんの名前と「470点」という得点がモニターに映し出されてしまったのだ。この時点では当然まだ田津原さんはネタを披露しておらず点数など表示されるはずが無い。視聴者は一瞬戸惑ったが、何かの手違いだと思い、さほど気にもとめなかった。しかし問題だったのは、田津原さんがファーストステージで披露したネタに対して、先ほど映し出された「470点」という点数が実際に付けられてしまったのだ。これを受けて、この「470点」という点数は元々決まっていたのではないかという声がSNS上で上がってしまい、『ヤラセ疑惑』が浮上したという訳だ。