65歳からの受給額はいくらになるか
老齢基礎年金と老齢厚生年金が65歳から支給された場合、年金額はどれぐらいになるか計算例を挙げる。国民年金と厚生年金保険に40年加入した人が65歳になった時に受け取れる年金額についてだ。保険料の未納、免除はないものとする。
加入期間の内訳は、2003年3月までの加入期間が15年、2003年4月以降の加入期間が25年と設定する。2003年3月までの平均標準報酬月額は30万円、2003年4月以降の平均標準報酬額は53万とする。
配偶者と子については、65歳未満の配偶者はいるが生計を維持されている子はいない状態と仮定する。経過的加算などは考慮せず、未来についての例示ではあるが諸々の制度、計算の基礎となる金額などは2017年度のものを適用した。
老齢基礎年金は加入可能年数の上限である40年という期間があるため満額を受け取れることになる。2017年度9月分からの年金額を参照すると77万9,300円である。
老齢厚生年金については報酬比例部分と加給年金額を計算する。報酬比例部分はまず2003年3月以前と4月以降で分ける。2003年3月までの分の計算に用いる数値、平均標準報酬月額、乗率、加入期間月数はそれぞれ30万円、1,000分の7.125、180である。これらを掛けた額38万4,750円が2003年3月までの分の年金額となる。
2003年4月以降の計算は、平均標準報酬額、乗率、加入期間月数を掛けて行う。それぞれは53万、1,000分の5.481、300となり、計算すると87万1479円だ。2003年3月以前の38万4,750円と足すと125万6,229円で、こちらが老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額となる。加給年金額は配偶者1人なので22万4,300円である。
全てを計算した額、77万9,300円、125万6,229円、22万4,300円の合計225万9,829円が、年金として受け取れる額になる。月額で表すと約18万8,319円である。
障害年金の計算
障害基礎年金は、国民年金の加入者が医師の診療を受けた際一定の障害が認められ、かつ保険料納付要件などを満たす時に原則支給される。対象となる障害の等級は1級と2級だ。1級の場合は年金額の満額に1.25をかけた額、2級の場合は年金額の満額が支給される。
子がいる時は1級と2級のどちらの場合でもその人数に応じて一定額が加算される。子に応じた金額、子の定義は加給年金額と同じである。
障害厚生年金は、厚生年金保険の加入者が概ね障害基礎年金と共通の要件を満たした時に支給される。ただ対象はより広く、障害等級1級、2級、3級がその範囲となる。一時金として障害手当金が支給される場合もある。
年金額は1級の場合老齢厚生年金の報酬比例部分を1.25倍した額、2級、3級の場合は報酬比例部分が基本の年金額となる。1級、2級においては一定の要件を満たす配偶者がいる場合は加えて一定額、2017年4月以降分だと22万4,300円が加算される。なお3級には最低保障額が定められており、同年基準だと58万4,500円になる。
遺族年金の計算
遺族基礎年金は一定の受給資格期間などの要件を満たした国民年金加入者が死亡した時に支給される。給付を受けるのは死亡者に生計を維持されていた子のある配偶者か子だ。給付対象となる子の定義は加給年金、障害基礎年金と同様である。
年金額は老齢基礎年金の満額に子の人数に応じた額を加算した金額となる。子の人数に応じた加算額は加給年金、障害基礎年金と同じだ。ただし受給権を得た子が1人だけの場合、第1子としての子の加算はない。また受給権を得たのが子どもだけで、その人数が2人以上の場合、第1子の分は支給されない。
遺族厚生年金は一定の要件を満たした厚生年金保険の加入者が亡くなった時に支給される。対象となり得るのは妻、夫、子、父母、孫、祖父母である。子、孫の定義は加給年金、障害基礎年金と同様だ。夫、父母、祖父母の場合は、原則年齢が55歳以上であることが要件となる。年金額は基本的に老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3に相当する額である。
文・ZUU online編集部/ZUU online
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