ナミヘイさんは23歳で結婚し「三大費用」を分散
ナミヘイさんは23歳で結婚してその年に第1子が誕生、26歳で住宅を取得して30年ローンを組みました。
もっとも教育費がかかるのは、子供が18歳になる頃ですが、ナミヘイさんは41歳でバリバリ働いている時期です。この年齢は収入も安定して会社の中でも中堅に位置するようになっているケースが多いのではないでしょうか。住宅ローンは56歳まで続くので、家計的にはもっとも厳しい時期といえますが、それでも子供が大学を卒業するまでの4年間さえ乗り切れば、その後はぐっと楽になります。
子供が大学を卒業する頃、ナミヘイさんは45歳です。その後、定年退職を迎えるまでの15年を老後資金の準備にあてることが可能となります。
たとえば、毎月8万円ずつ老後資金を蓄えれば、15年間で1440万円の貯蓄ができるわけです(8万円×12か月×15年=1440万円)。これに退職金を合わせれば、目標の3000万円に近づけることができるのではないでしょうか。もちろん、様々な金融商品で運用することでもっと増やすことも可能です。逆に足りない場合は、退職後も少し働くことによって老後資金を補充する必要があるでしょう。
カツオさんは「三重苦」で老後資金が貯められない
ところが、昨今は晩婚化が進んでおり、40歳近くになっても独身というケースも珍しくありません。
たとえば、カツオさんは39歳で結婚。結婚を期にマイホームを取得し、30年の住宅ローンを組み、翌年に第1子を授かりました。
子供が大学に進学する頃、カツオさんは58歳になります。ちなみに、国税庁が公表している年齢階層別の給与推移を見ると、およそ50代前半をピークに所得が下降する傾向が認められます。カツオさんは58歳から62歳の間に、最も教育費がかかる厳しい時期を迎えます。
カツオさんが60歳で定年を迎え再雇用されたとしても、給料が半減することも考えられます。そうなると奨学金や教育ローンを借りたり、退職金を取り崩す事態になるかもしれません。
住宅ローンは、30年ローンですから69歳まで続きます。このような環境では、とても老後資金を準備する余裕などありません。子供が大学を卒業する頃のカツオさんは62歳です。退職金はまだ残っていますがかなり減っているのではないでしょうか。ここから何とか頑張って貯蓄をするしかありません。場合によっては65歳以降も働く必要があるでしょう。
長生きをリスクにしてはならない
いかがでしょうか? 39歳で結婚したカツオさんは教育資金、住宅資金、老後資金の「三重苦」に巻き込まれてしまったのです。決して冗談ではなく結婚する「39歳(サンジュウク)」までに将来を見据えたマネープランを実践していれば状況は大きく好転できたのかもしれません。
今回は、人生の三大費用と「家計の三重苦」についてお届けしました。これからの時代、ますます晩婚化が進み、平均寿命がどんどん延びることが予想されます。長生きをリスクにしてはいけません。「人生の三大費用」についてしっかりと理解し、なるべく早い時期から支出が重ならない工夫はもちろん、たとえ重なったとしても余裕をもって対応できる「備え」が必要なのです。
文・長尾 義弘(NEO企画代表、ファイナンシャル・プランナー、AFP)/ZUU online
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