体調不良で退職するとき理不尽な引き止めにあったら

体調不良で退職する◎公的支援からひき止めへの対処法まで幅広く解説
(画像=『Rolmy』より引用)

何度も書いていますが、退職することは正社員の権利です。
体調不良が理由の退職は、正社員でも契約社員でも「やむを得ない理由」として退職が認められています。

ですが中には退職を認めてくれず、理不尽なひき止めにあうこともあります。
ここからは、理不尽なひき止めのケースとその対処法についてです。

体調不良で退職◎理不尽なひき止めのケース

体調不良で退職する◎公的支援からひき止めへの対処法まで幅広く解説
(画像=『Rolmy』より引用)

理不尽なひき止めのケースとしては、以下のようなものがあります。
そのどれもが法律的にNGです。

ひき止めのケースと、なぜそれが違法なのか解説します。

■ 退職届を受理してくれない

次の後任が見つかるまで待ってほしいと、退職届を受理してくれないのはよくあるケースです。
ですが退職は労働者の権利です。

正社員であれば14日前までに通知すればどんな理由であっても退職できますし、体調不良などの「やむを得ない理由」であれば即日退職できます。

会社が退職届を受理しないのは在職強要と考えられ、労働基準法に定められた「強制労働の禁止」に該当する違法行為と考えられます。

■ 退職金給料を払わないなどの脅し

悪質なケースでは、「せめて1か月前に通知しないと、退職金を払わない」「次の後任が見つかるまで働いてくれないと、給料は払わない」などと言われることがあります。

会社が実際に給料や退職金を払わなかったり、これらの脅しをしてくるのは明らかな違法行為です。
体調不良などの「やむを得ない理由」であれば、即日退職であっても退職金や給与は受け取れます。

■ 有給休暇を消化させてくれない

退職前に有給休暇を消化することは、体調不良が理由であっても可能です。
有給休暇は労働者の権利の1つですから、しっかり消化して退職することができます。

会社が有給休暇の消化を認めないのは、体調不良が理由の退職であっても間違っています。

■ 離職票を発行してくれない

体調不良で退職した場合、すぐに離職票が必要になるケースはほとんどないと思います。
ですが体調が回復し次の仕事を見つけるためにハローワークを利用したいと思ったときなど、離職票を求められることがあります。

離職票の発行は企業側の義務です。
企業は従業員の退職後10日以内に離職票を発行しなくてはなりませんし、即日退職などを理由に離職票を発行しないというのは間違っています。

■ 懲戒解雇にされそう

とても悪質なケースですが、中には懲戒解雇にすると脅してくるケースもあります。
「即日退職するせいで会社が損害を被った。懲戒解雇にする」
「14日前までに退職通知しないのは違反だから、懲戒解雇にする」

何度も何度も書いていますが、体調不良はやむを得ない理由として即日退職することができます。
体調不良による即日退職を理由に懲戒解雇にすることはできません。

理不尽なひき止めなどにあったら◎労働基準局に訴える

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(画像=『Rolmy』より引用)

上記理不尽な引き止めなどにあったら、どうすればよいのでしょうか。
体調不良であると明確に伝えても、あるいは診断書などを提出しても上記のような理不尽がおこったら、労働基準局に相談しましょう。

各都市に相談窓口がありますし、電話で相談することも可能です。
労働基準局に相談し会社側の間違いが認められれば、労働基準局から会社への指導をしてもらうなどの支援をうけることができます。

退職代行を利用する手も

体調不良で退職する◎公的支援からひき止めへの対処法まで幅広く解説
(画像=『Rolmy』より引用)

体調不良といっても、その程度はさまざまです。
中には会社に行って退職を伝えるのも辛い人もいると思います。

職場の状態によっては、退職を伝える電話をすることすら恐ろしいと感じる場合もあるでしょう。
そんなときに頼りになるのが退職代行サービスです。

会社と全く連絡をとらずに退職をすることができます。
もちろん外部にサービスを依頼するわけですから費用はかかりますが、第3者にお願いすることにより感情的にならずスムーズに退職できます。

体調不良で退職するときに使える支援制度

体調不良で退職する◎公的支援からひき止めへの対処法まで幅広く解説
(画像=『Rolmy』より引用)

体調不良で退職した場合、体調が回復するまで求職活動をするのは難しいことが多いです。
そんな時心配になるのがお金のこと。

退職後も安心して生活できるように、公的支援制度を積極的に使っていきましょう。

退職ではなく休業して「傷病手当金」を受け取る

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(画像=『Rolmy』より引用)

体調不良になって働けなくなったとき会社を続けたい意志があるのであれば、すぐに退職するのではなく「休業」という選択肢もあります。

休業を選択することで「傷病手当金」を申請することができるのです。
「傷病手当金」とは病気や怪我で会社を休み会社から十分な報酬が受けられない時に、その人の生活を保証するために設けられている制度です。

傷病手当金を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 仕事ができない状態であること
  2. 病気や怪我で、連続して3日間会社を休んだこと
  3. 仕事とは関係ない病気や怪我で仕事に就けないこと
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと

このうち3についてですが、仕事が原因で病気や怪我になった場合は「労働災害」として、今回の「体調不良による退職」とは別の手続きが必要になります。

また4についてですが、給与の支払いがあっても傷病手当よりも額が少ない場合は、その差額分の支給をうけることができます。

傷病手当金を受けられるのは最長1年6か月で、それ以降は無支給になります。
もしも会社を続けたいと思っているのであれば、ぜひこの制度を利用しましょう。

また会社によっては、別途休職中の保障を設定しているところもあります。
退職・休職する前に確認しておいてください。

退職したら「失業手当」を受け取る

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(画像=『Rolmy』より引用)

体調不良による退職後、心身が回復して求職活動をしているのにも関わらず仕事が見つからない場合、失業手当をうけることができます。

失業手当を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 体調不良から回復し、仕事に就ける健康状態であること
  2. 求職活動を積極的におこなっている・仕事に就きたいという意志があること
  3. 離職の日以前1年間に、雇用険加入期間が通算して6カ月以上あること

3についてですが、自己都合退職であれば雇用険加入期間は通算して12カ月以上必要です。
ですが、体調不良などやむを得ない理由が合った場合は6カ月加入していれば失業手当が受けられます。