【妊娠初期の茶色の出血の原因④】子宮外妊娠

妊娠初期に危険性が高い茶色の出血には、子宮外妊娠があります。

子宮外妊娠というのは、受精卵が子宮内膜以外の場所で着床してしまうことをいいます。

ほとんどの場合は、卵管で着床してしまうことが多く、激しい腹痛が起こる場合もあります。

子宮外妊娠でも、妊娠検査薬では陽性反応や妊娠初期症状が起こるのが子宮外妊娠の特徴になります。

早期に流産してしまうことがほとんどなのですが、狭い卵管の中で胎児が育ってしまうと、卵管が破裂して大量出血をして母体を危険にさらすことにもなります。

子宮外妊娠かどうかは、妊娠6週目ぐらいにはわかり、自然に流産しない場合には、手術をする必要があります。

【妊娠初期の茶色の出血の原因⑤】胞状奇胎

妊娠初期に危険性が高い茶色の出血には、胞状奇胎があります。

受精卵が子宮内膜に着床するときには、胎児の身体となる方が細胞と、絨毛細胞に分かれ、絨毛細胞からは受精卵から絨毛と呼ばれる根っこを子宮内膜に降ろします。

この絨毛は増えていき絨毛膜という、やがて胎盤や卵胞になる組織になるのですが、胞状奇胎というのは、卵子の染色体の異常により、絨毛細胞だけが異常に増殖をして、子宮の中を覆い尽くしてしまう状態になってしまうことです。

水泡状のブドウのようなブツブツが子宮の中を埋め尽くすことから、ぶどうっ子と呼ばれることもあります。

胞状奇胎になると、出血のほかにつわりがひどくなるといった症状が見られます。

診断は、エコー検査によって発見されることがほとんどです。

胞状奇胎だった場合には、自然に流産することが多いのですが、胞状奇胎を子宮の中から取り除くためには手術が必要になります。

1回の手術では取りきれない場合も多く、手術を数回にわたって行う必要がある場合も少なくありません。

また、胞状奇胎が再発したり、絨毛がんなどの原因となることもあるので、数ヵ月にわたる経過観察が必要になります。

【妊娠初期の茶色の出血の原因⑥】絨毛膜化血腫

妊娠初期に危険性が高い茶色の出血には、絨毛膜下血腫もあります。

受精卵が子宮内膜に着床するときに、子宮内膜に下ろす根っこの絨毛は妊娠が成立すると増えて行き、絨毛膜という膜状になります。

絨毛膜下血腫というのは、この絨毛膜が子宮内膜から剥がれ落ちそうになってしまい、絨毛膜と子宮内膜の隙間から出血してしまう状態のことです。

出血は少量であることが多く、茶色のおりもの程度の出血も見られないことも少なくありません。

出血などの自覚症状もなくエコー検査によって、血腫が見られることで発見されることもあります。

特に治療法などはなく、無理をせずに安静にすることが切迫流産など危険な状態を回避するためには大切になります。

安静を保つことで改善することが多いので、絨毛膜下血腫と診断されたら、家事や仕事で無理をせずに、安静を保つようにすることを心がけてください。

【妊娠初期の茶色の出血の原因⑦】切迫流産

妊娠初期に茶色の出血が起こる原因には、切迫流産があります。

切迫流産というのは、お腹の赤ちゃんが何らかの原因により、流産しかかっている状態で、とても危険な状態になります。

切迫流産の兆候としては、少量の出血が続くことや、軽い腹痛が続くことが挙げられます。

少量の出血や軽い腹痛が起きる切迫流産に対する有効的な治療法は現在のところありません。

しかし、出血や腹痛があっても、安静を保つことで危険な状態を脱して、無事に出産にこぎつけたという人も沢山います。

たとえ少量の出血や、軽い腹痛でも、妊娠初期には自己判断で大丈夫だと思わずに、必ずかかりつけの産婦人科で診断をしてもらい、切迫流産だと診断されたら安静を保つ努力をすることが大切になります。

【妊娠初期の茶色の出血の原因⑧】流産

妊娠初期に茶色の出血が起こる原因には、流産があります。

切迫流産は、流産の危険性は高くてもお腹の中で赤ちゃんの命が保たれている状態でした。

流産というのは、残念ながらお腹の中の赤ちゃんの命が絶えてしまったことを意味しています。

妊娠初期の流産の原因の多くは、受精卵の染色体異常によって起こります。染色体に異常があるために、受精しても充分に育つことが出来なかったことから流産になってしまったのです。

流産してしまうと、自分を責めてしまう人も少なくありませんが、特に妊娠初期の流産というのは、お母さんのせいで流産になってしまうケースはほとんどありません。

あまり自分を責めすぎないようにしましょう。

妊娠初期に流産が起こる時には、出血のほかに、腰痛や腹痛に見舞われることが多いです。

また、基礎体温をつけている場合は、基礎体温が下がることも流産の兆候だと言われています。

流産するときには必ず腹痛を伴う出血が起こるので、少量の出血でも出血した時にはとにかく一度病院で診察してもらいましょう。