マイペースでいつもクールなイメージの猫ですが、実はしっぽを使って、さまざまな感情を表現しているのをご存知ですか?
うれしいとき、びっくりしたとき、考え事をしているとき…など、その表現方法はさまざま。
「大好きな愛猫の気持ちをもっと知りたい!」
そんな飼い主さんは、ぜひしっぽの動きに注目をしてみてください。
1.猫のしっぽの構造
猫のしっぽは「尾椎(びつい )」「筋肉」「神経」で構造されています。
<尾椎(びつい)>
尾椎は、猫のしっぽを支える骨です。しっぽの長さにもよりますが、多くの猫は18~23個ほどの短い骨が連なり形成され、しっぽの先にいくほど細くなっているのが特徴です。
<筋肉>
尾椎の周りをぐるっと囲むように、6種類の筋肉が付いています。
しっぽを上下左右に動かしたり、くるりと巻き込む動作は、それぞれの筋肉の働きによって可能としています。
<神経>
尾椎や筋肉を動かしているのが、尾椎の横から出ている「尾骨神経(びこつしんけい)」。しっぽの根元から先端まで全体に渡っていて、他の神経とも部分的に繋がっている、とても重要な神経の一つです。
2.猫のしっぽの役割
役割1 体のバランスをとる
猫は、しっぽを素早く振りながら骨盤の位置を調整して、不安定な場所でもバランスを崩すことなく移動することができます。
家具やベランダの手すりなど、幅の狭いところでも上手に歩くことができるのは、しっぽを使って体のバランスをとっているからなのです。
役割2 マーキングする
猫の肛門周辺やしっぽの付け根付近には、臭いを発する「臭腺」が集まっていて、この臭腺によってマーキングをすることがあります。
しっぽを持ち上げながら臭腺をこすりつける行為は、飼い主さんを独占したいという愛情表現や、外での縄張りを意味していると言えるでしょう。
役割3 感情を表現する
嬉しいときやリラックスしているとき、集中しているときなど、猫はしっぽの動きによって感情を表現します。
3.一般的なしっぽを持つ猫の種類
「猫のしっぽ」と聞くと、スラーっと長く伸びたものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
そのイメージ通り、猫のしっぽは、体長と同じくらいの約25~30㎝程のものが一般的な長さと言えます。そんなしっぽを使った感情表現は、飼い主さんにとっても非常にキャッチしやすいコミュニケーションの一つですね。
シンガプーラ
平均的な体重は2~3kgと、とても小さな体が特徴です。優しくて甘えん坊、そして飼い主さんにも非常になつきやすい性格ですが、騒がしい環境が苦手な面もあり、静かで落ち着いた飼育環境が好ましい猫種です。
シャム
タイで生まれたシャムは、サファイアブルーの瞳と、顔や足先、しっぽなどの色が濃くなる「ポイントカラー」が大きな特徴。もともとはタイの中でも、王室や寺院など高貴な環境で飼われていたといわれていて、知的かつコミュニケーション好きで、甘えん坊な一面も持ち合わせます。
ベンガル
ベンガルヤマネコとイエネコの交配によって生まれたのが、このベンガル。かつて、ベンガルヤマネコが白血病を発症しない理由の解明を人間の白血病研究に活かそうと、アメリカの研究者によってこの交配が行われたといいます。そのヒョウ柄の毛並みが印象的で、運動が大好きな活発な猫種です。
4.しっぽが短い猫の種類
コロンと短いしっぽでも、しっかりと感情表現をしているそう。
とてもかわいらしいですね。
ジャパニーズボブテイル
日本を原産とし、「招き猫」のモデルになったとも言われています。
穏やかで優しく、好奇心が旺盛な猫種です。
アメリカンボブテイル
アメリカ生まれの猫種で、その短いしっぽと大きな体が特徴。
とても温和な性格を持ち、怒るようなこともほとんどないため、アメリカでは動物介在療法(アニマル・セラピー)で活躍することもあります。
クリリアンボブテイル
ロシアで生まれ、サイズは中型~大型と比較的大きめの体格が多い猫種。
とても人なつっこく飼い主さんにも甘え上手ですが、狩りや泳ぎが得意というアグレッシブな一面も持ち合わせます。