母乳を与える前に、赤ちゃんのアレルギー検査をしよう

一般的に、アレルギー症状の原因は「遺伝」による影響が大きいといわれます。つまり、赤ちゃんの良心や祖父母にアレルギーの人がいる場合は、その体質が遺伝し、赤ちゃんも同じアレルギーになる可能性があるということです。

もしも、赤ちゃんのアレルギーが心配な場合は、子育て中にアレルギー検査を受けましょう。アレルギーを1から防ぐことはできなくても、アレルギー症状によって赤ちゃんが苦しむのを防ぐことはできます。そのためには、早くからアレルギー検査を受け、赤ちゃんにとってのアレルギーの原因を知ることが大切です。

アレルギー検査は、母乳を与える前のいつごろにできる?

アレルギー検査を受ける赤ちゃんの年齢に、はっきりとして基準はありません。そのため、お医者さんによっては年齢が低くてもアレルギー検査を受けるよう促されるケースもあるでしょう。

アレルギー検査の種類には、「血液検査」と「皮膚検査」の2種類があります。そのなかでも、「皮膚検査」は低年齢でも行えるアレルギー検査として有名です。
それぞれを詳しく見ていきましょう。

母乳を与える前にするアレルギー検査(1)血液検査

血液検査は、その名の通り、血液を採取してどのようなアレルゲンを持っているかを調べる検査方法です。より詳しく言うと、「IgE抗体」というたんぱく質が、血液中にどれほど含まれるかを確認することで、その人のアレルゲンを特定します。

血液検査は非常に詳細で正確な診断結果が出るのですが、赤ちゃんにとっては、薄い皮膚に注射針を指すことになり、大きな負担がかかります。また、赤ちゃんの血管が細く未発達なせいで、血液を取ることができなかった、という体験談も聞きます。そのため、低年齢の人にはあまりオススメできないアレルギー検査方法です。

母乳を与える前にするアレルギー検査(2)皮膚検査

皮膚検査は、注射を使わないアレルギー検査です。「スクラッチテスト」と「パッチテスト」の2種類の方法がありますが、どちらも痛みが少なく、皮膚にはあとも残りません。肌の敏感な赤ちゃんにはもってこいのアレルギー検査方法といえるでしょう。

(1)スクラッチテスト

赤ちゃんの皮膚に、アレルギーの原因物質を含んだものを塗布します。そして、スクラッチ針と呼ばれる針で赤ちゃんの皮膚に小さな傷をつけ、15分程度放置します。
すると、ある傷の箇所ではアレルギー反応が起こり、その他の箇所ではアレルギー反応が起こらない、という風に違いが現れます。それを観察して、赤ちゃんのアレルゲンを特定する方法です。

つけるのは本当に小さな傷ですし、アレルギー反応が起こったとしても、すぐに治る程度の症状でしかありません。皮膚に残る傷は0に等しいので、赤ちゃんにも安心して使用できます。

(2)パッチテスト

あらかじめ小さな紙に、アレルギーの原因となる物質を沁みこませます。それを赤ちゃんの背中や二の腕などに貼り付け、48時間ほど放置し、経過を観察します。その後、皮膚にアレルギー性反応が起こっているかどうかを確かめ、アレルゲンを特定します。

アレルゲンを特定するまでに48時間の時間が必要なことがデメリットですが、赤ちゃんの皮膚にまったく傷をつける必要が無い点で、とても優秀なアレルギー検査方法です。

母乳による赤ちゃんのアレルギーは予防できる?

さて、ここまでの内容で、赤ちゃんが母乳によってアレルギー反応を起こすことはわかりました。しかし、ある一つの疑問が湧いてきます。

つまり、「母乳を与える以前、つまり妊娠中の食生活に気を配れば、赤ちゃんのアレルギー体質を予防できるのではないか?」という疑問です。
裏を返せば、「妊娠中や授乳中のお母さんの食生活が原因で、赤ちゃんがアレルギーになるのでは?」という疑問にもなります。

たしかに、ほんの微量のアレルゲンでも赤ちゃんに影響を与えることがわかった今では、妊娠中のお母さんの食生活が、赤ちゃんの体質を大きく左右するように感じられます。ならば、アレルゲンを除去した食事を取れば、アレルギー体質になることを防げるのではないかと考えるのも、もっともな意見です。
しかし、残念ながら、これはまったくの間違いなのです。