母乳によるアレルギー症状(4)粘膜の腫れ・かゆみ

ここでいう粘膜とは、唇や喉、目などの体の部位を指します。
想定される症状は次の通りです。
(1)目の充血
(2)目が潤み、涙があふれる
(3)まぶたが腫れあがる
(4)くしゃみ・鼻づまり
(5)のどの異物感
言うなれば、花粉症によく似た症状です。子育て中の赤ちゃんにこのような症状が見られた場合は、花粉やほこりだけでなく、卵や牛乳が原因のアレルギー症状も疑いましょう。

母乳によるアレルギー症状(5)嘔吐・下痢

母乳によるアレルギーの影響で、赤ちゃんに嘔吐や下痢の症状が現れる場合があります。
そもそも、赤ちゃんの消化器官はまだ未発達です。そのため、アレルギーの原因物質がきちんと消化されず、嘔吐、もしくは下痢の症状につながると考えられています。
特に、卵・牛乳・大豆などのたんぱく質が豊富に含まれる食事を摂取した後の母乳で、赤ちゃんが下痢や嘔吐を起こすことが多いそうです。

母乳とアレルギーの関係を考える前に・・・

母乳の基礎知識をおさらいしましょう

母乳には、お母さんの食べた食事の成分が微量ながら入り込みます。そのため、離乳食を食べていない赤ちゃんでも、母乳を飲むことによって卵や牛乳アレルギー症状を引き起こす恐れがあります。

母乳によって引き起こされるアレルギー症状は、赤ちゃんの先天性によるものです。つまり、母乳を飲ませる以前から、赤ちゃんのアレルギー体質は決まっていたことになります。
したがって、「母乳の影響で赤ちゃんがアレルギーになった」という現象は起こりえません。もし万一、母乳を飲んだ赤ちゃんにアレルギー性の症状が見られたとしても、母乳を与えたお母さんが責められる必要はまったく無いので、覚えておいてください。

母乳によるアレルギーが起こる可能性は高いの?

母乳に含まれるアレルギーを引き起こす原因物質(以後「アレルゲン」と呼びます)の量は、ごく僅かです。その量は、通常アレルギー症状を起こす濃度の1000分の1程度といわれています。
その上、母乳の中のアレルゲンは、体内の抗体によってブロックされるため、赤ちゃんに届く影響はほんの僅かしかありません。もし万一アレルギー症状が起きたとしても、軽度の反応で済むことがほとんどでしょう。

しかし、生後4~5ヶ月の赤ちゃんのアレルギー反応が、子育て中のお母さんの食事を改善することによってする回復するケースはよくあります。ほんの少しのアレルゲンだとしても、敏感な赤ちゃんにとっては見過ごせない影響を及ぼすこともあるのです。