これは買い物依存症?ただの趣味?
これは買い物依存症なのか、それともただの趣味なのかという疑問が生まれるでしょう。自分がただの買い物好きで趣味の範囲でやっていることなのか、それとも買い物依存症なのかは、D・A(買い物依存症者の自助グループ)のセルフチェックが判断基準の参考になります。
買い物依存症のセルフチェック
買い物依存症かどうかを判断する指標に、デターズ・アノニマス(買い物依存症者の自助グループ)の20の質問というチェックリストがあります。
- 強迫的な買い物・浪費・借金に対し自分自身ではどうにもならないと考える事があった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金に対して降参したらその方が幸せだと思うことがあった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金をいけないと思って止めようとしたり、制限しようとした事があった。
- 悩みや不安やトラブルから逃げようと強迫的な買い物・浪費・借金をしてしまう事があった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金のために仕事や学業がおろそかになることがあった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金のために家族が不幸になることがあった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金をしている時に大きな優越感や陶酔感を感じる事があった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金の後で罪悪感や自責の念や落ち込みを感じる事があった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金の刺激からコントロールされていると感じる時があった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金の後ですぐに強迫的な買い物欲求にとらわれる事はあった。
- 強迫的な買い物・浪費をしても開封しなかったり使用しなかったりする事があった。
- 次から次へと強迫的な買い物・浪費・借金をしながらも何故か空虚感が消えない事があった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金のために不眠になったり、能率や集中力が低下することがあった。
- 一文無しになるまで強迫的な買い物・浪費をする時があった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金(返済)の資金を作るために自分や家族の物を売る事があった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金の支払いのために正常な支払いが出来なかった事はあった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金のために不相応な負債(カード・ローンなど)があった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金のための負債(カード・ローンなど)の支払いを工面するのが困難になった事があった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金のため法律に触れる事をしたとかしようと考えることがあった。
- 強迫的な買い物・浪費・借金をし続ける時、悪い環境の方に向かっていると思うことがあった。
多数の項目に当てはまる方は強迫的買い物・浪費・借金依存症である可能性が高いです。
依存と趣味の線引き
依存と趣味の線引は、買い物をコントロールできているかどうかが目安です。具体的には次の4つの状態にあれば、依存症と考えます。
- お金や時間さえあれば、ついつい買い物のことを考えてしまう
- 自分で買い物を制御できない、やりたい気持ちを抑えきれない
- 周囲に嘘をつく
- 借金やローンなど資金繰りをする
厚生労働省によると依存症の定義は
特定の何かに心を奪われ、やめたくても、やめられない状態になること
とされています。
引用:厚生労働省|依存症についてもっと知りたい方へ
買い物を趣味の範囲とするのは、自分の計画の範囲内で楽しめて、日常生活に支障を及ぼさず特に問題になることがない状態だと言えます。金銭的にも、買い物に費やす時間も人間関係にも影響がない場合は依存症とは言えないでしょう。単に自分は金銭管理が苦手で使いすぎるだけだとか、夢中になったら我を忘れるだけだとか、自分の性格が甘いために買いすぎると考える場合があります。しかしこれは人間性の問題ではなく、依存症という病気が引き起こしているためです。
買い物依存症はまだ医学的に疾患と認定されていないため、明確な線引はありません。ただ、買い物によってあなたや周囲が困っているならば、それは依存症という病気にかかっていて適切な支援が必要な状態なのです。
大切なのは困っているかどうか
実はチェックリストはあくまでも参考となる指標であって、大切なのはあなたが買い物のことで困っているかどうかです。チェックリストにそんなに当てはまっていないとしても、たまにしか買い物にのめり込まないとしても、買い物の事で困っていたならあなたには支援が必要です。しくは自分は困っていないけど周囲に色々言われて人間関係が面倒になっているなど、買い物による影響が出始めている場合も同じく支援につながることをおすすめします。
依存症は否認の病と言われて、自分が買い物依存症だなんてそんなわけはないと、認めたがらないことも特徴です。
自分で懸命に買い物を減らす方法を考え、普通の人のように節度ある買い物をしようとチャレンジしては失敗しても、いつかは普通に買い物ができると思いこんでいます。
けれど、依存症は進行性の病気です。例え一時的に落ち着いたとしても病気は進行し続け再発し、犯罪あるいは死の門口に立つまで手放せなくなってしまうのです。