歴史的な低金利が長く続いています。ただ貯金するだけじゃなかなかお金が増えないので、「ちょっと運用してみようかな…」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そうなると「貯金と運用の割合はどうすればいいの?」という疑問が出てきますよね。今回は、他の人が貯金と運用をどれくらいの割合でやっているのか、その平均値を紹介します。自分にぴったりの運用割合の決め方やポートフォリオ(運用商品の組み合わせ)の考え方について確認していきましょう。

みんなの運用割合はどれくらい?

日銀 資金循環統計
(2019年第3四半期)
金融広報中央委員会
家計の金融行動に関する世論調査
(2019年)
単身世帯 2人以上世帯
約15.83% 約34.0% 約19.7%
 
日銀 資金循環統計
(2019年第3四半期)
約15.83%
※家計証券295兆円 ÷ 家計資産全体1,864兆円
金融広報中央委員会
家計の金融行動に関する
世論調査(2019年)
単身世帯 約34.0%
※家計有価証券219万円 ÷ 家計資産全体645万円
2人以上 世帯 約19.7%
※家計有価証券224万円 ÷ 家計資産全体1,139万円

日銀の「資金循環統計(2019年第3四半期)」によると、家計資産の約16%が運用に回されているようです。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯では資産全体の約34%が、2人以上世帯では約20%を運用に回しているようです。

日銀と金融広報中央委員会の調査を考えると、全体的には資産の大体2~3割を運用に回しているようですね。なお、運用と言っても株式のようにリスクの高いものばかりではなく、国債のように低リスクのものも含まれています。

これらの数字は、あくまで参考として考えていただきたいです。平均をそのまま自分に当てはめないようにしましょう。

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運用割合を考える前に注意したいこと

(写真=Worranan Junhom/Shutterstock.com)

まずは緊急資金を用意する

投資や運用を考える前に、まずは万が一の支出に備える緊急資金を用意しましょう。

投資の中にはすぐに解約できないものや、解約できても不利な条件になってしまうものがあります。下落している状況で解約したくない場合もあるでしょう。急な支出に充てられない可能性があるので、まずは緊急資金を現金で用意しておきましょう。

近く使う予定のお金も分ける

投資や運用は余裕資金で行うのが基本です。余裕資金以外のお金を使ってしまわないよう、生活費や使う予定のあるお金は分けておきましょう。

お金を分けるために、専用の銀行口座を用意してみてはいかがでしょうか?「普段使い」「現金での貯蓄」「投資・運用」などのように分けておけば、無駄遣いを防ぎやすくなります。

適切な運用割合の求め方

(写真=Ghing/Shutterstock.com)

「いつまでに、どれくらい増やす」という目標を決める

自分の運用割合を決めるために、自分のゴールを作りましょう。「いつまでに、どれくらい増やす」を決めると具体的な数字目標が作りやすくなります。

運用資金がある人は「現価係数」で必要な投資額を確認

「現価係数」表
運用期間\運用利率 1%
(年利)
2% 3% 5%
10年 0.905 0.820 0.744 0.614
20年 0.820 0.673 0.554 0.377
30年 0.742 0.552 0.412 0.231

目標ができたら達成に必要な運用額が計算できます。「現価係数」を使うと簡単に計算できますよ。

「リタイアの30年後までに、1,000万円まで増やす」という目標で計算してみましょう。仮に毎年3%のリターンが得られる場合、現価係数は0.412です。1,000万円に0.412を掛けると412万円となります。

つまり、毎年3%のリターンがある場合、現在412万円あれば30年後に1,000万円になっているのです。毎年5%なら231万円あれば済みます。ただし、想定するリターンは余裕を持つため辛めに設定することをおすすめします。

リターンは自分で想定しないといけませんが、投資経験が無いうちは想像しにくいですよね。参考にこれまでの株式リターンを紹介しておきます。なお、順調な成績ですが今後も継続する保証があるわけではありませんので注意しましょう。
 

世界の株式リターン(1年あたり。2020年1月31日時点)
直近5年 直近10年 設定来リターン
(1994年5月31日~)
先進国株式
(MSCI KOKUSAI米ドル)
+9.84% +10.88% +8.97%
全世界株式
(MSCI ACWI IMI米ドル)
+8.97% +9.79% +7.46%
※リターンは米ドルベースなので為替の影響は計算されていません

運用資金が無いなら積み立て投資から。「減債基金係数」で試算

「減債基金係数」表
運用期間\運用利率 1%
(年利)
2% 3% 5%
10年 0.096 0.091 0.087 0.08
20年 0.045 0.041 0.037 0.03
30年 0.029 0.025 0.021 0.015

現価係数はまとまった運用資金がある方に向いていますが、あまり無い方は積み立て投資で目標達成を目指しましょう。「減債基金係数」で必要な積み立て額が試算できます。

現価係数の例と同じ「30年で1,000万円まで増やす」目標で考えます。年間3%のリターンがある時、減債基金係数は0.021です。1,000万円に0.021を掛けると21万円となります。

つまり、毎年3%のリターンがある場合、年間21万円の積み立て投資を30年続ければ1,000万円になっているのです。ひと月あたり1万7,500円ですね。

一括投資と積み立て投資で無理のない運用を

運用を割合から考えるより、目標達成に必要な運用額を考える方がおすすめです。その方が自然と過不足のない運用割合となるでしょう。

運用資金がある方は現価係数を、これから貯めていく方は減債基金係数を参考にしてみてください。もちろん両方使ってもOKです。

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運用商品はどういう割合で配分するの?

運用商品の割合「ポートフォリオ」が大切

(参考)
公的年金の基本ポートフォリオ
(参考)
公的年金の運用実績
国内債券 35% 2015年度 ▲3.81%
国内株式 25% 2016年度 +5.86%
外国債券 15% 2017年度 +6.90%
外国株式 25% 2018年度 +1.52%

運用商品同士の割合を「ポートフォリオ」といいます。参考に公的年金のポートフォリオをご紹介しておきます。

実際に運用するとポートフォリオをどうすればよいか不安になる方もいらっしゃるでしょう。簡単にポートフォリオの考え方をお伝えします。

リターン重視なら株式の比率を高める

リターンを重視する方は、株式の比率を高めたポートフォリオがおすすめです。

一般に、株式はハイリスク・ハイリターンの商品で、債券はローリスク・ローリターンです。「リスクを取ってもリターンを重視する」という方は株式の比率が高い方がよいでしょう。

低リスク重視なら債券比率を高める

「リターンも欲しいけど、リスクを下げる工夫もほしい」という方は債券の比率を高めましょう。リターンは小さくなるでしょうが、リスクを下げる効果が期待できます。

適正な運用割合は、余裕ある目標設定がポイント

貯金と運用の割合をどうするかは気になりますよね。平均的には資産の2~3割を運用に回しているとご紹介しましたが、あまり人に合わせても仕方が無いことでもあります。

どれくらい運用に回すかは、「いつまでにどれくらい増やす」という目標から逆算することをおすすめします。現価係数や減債基金係数の表を利用しながら、自分の運用割合を計算してみてください。

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文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

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